50年の歴史に新たな「1」。キヤノンの本気が見えるプロ向けミラーレスカメラ『EOS R1』と『EOS R5 Mark II』

最新性能を盛り込んだ、ハイアマ垂涎の後継機

 一方で同事に発表された『EOS R5 Mark II』は、カメラを楽しむユーザーが自分ごとに感じられる高性能機だ。2020年に登場した『EOS R5』の後継モデルで、いくつかの部分で『EOS R1』とシステムを共有している。ある意味、最新性能を手頃に体験できる狙い目のモデルというわけだ。

 エンジンを2つ積んだ「Accelerated Captureシステム」は『EOS R1』と同様。有効画素数4500万画素の裏面照射積層CMOSセンサーを採用し、本機の方が解像度の面で上回っている。視線入力AFやアクション優先AFといった機能も余さず搭載しているが、クロスAFは非搭載だ。

 背面のボタン配置は『EOS R5』とほぼ同様。見た目は似ているが、ローリングシャッター歪みは約60%も改善されており、高速物を撮った際の仕上がりは大きく異なるだろう。

 ディープラーニングを活用した、カメラ内でのアップスケーリングとノイズリダクションも搭載。アップスケーリングを使えば縦横の画素数を2倍まで引き伸ばせるため、なんと1億7900万画素の超高解像度写真を得ることが可能! 解像度が高ければトリミング耐性も増すため、標準レンズ1本でカバーできる範囲が大きく増えるだろう。最近トリミングすることが増えた筆者にとっては羨ましい機能だ。

 本体のパターンは『EOS R1』と異なるが、本機もグリップが深く持ちやすさは抜群。重量は656g(バッテリー含まず)で、従来機『EOS R5』の650gとほとんど変わっていない。フットワークとカメラ重量を勘案すれば、このあたりがベストという人も多いだろう。

 ファインダーは『EOS R1』ほど大ぶりではないが、こちらも十分視界良好。ボディサイズも相まって、まさにハイアマ〜プロが求める機能が詰まったモデルだ。

  最後に動画機能について簡単に紹介する。『EOS R1』は6K/60pRAW、『EOS R5 Mark II』は8K/60pRAWでの映像記録が可能。『EOS R5 Mark II』には専用の冷却アクセサリー『CF-R20EP』も用意されている。バッテリーも内蔵可能で、映像撮影として本機を使いたい人にとってはありがたいアクセサリーとなっている。

 両モデルとも外装にマグネシウム合金を採用。カバーの合わせ部はシーリング部材が使用され、シーリング部材が使えないダイヤルの回転軸などの箇所は隙間が最小限となるよう設計されている。信頼性の部分も抜かりがない。

プロに向けたキヤノンからのラブレター

 『EOS R1』は、報道やスポーツ撮影といった一瞬を逃せないプロのための道具として仕上げられている。一方で『EOS R5 Mark II』の性能はバランスが良く、最新機能をコスパよく味わえるハイアマモデルとして人気が出そうだ。実際、筆者も『EOS R5 Mark II』には強く惹かれた。このカメラで8K撮影デビューしてみるのも面白そうだ。

 『EOS R1』の発売日は2024年11月で参考価格は108万9000円。『EOS R5 Mark II』は発売中で価格は65万4500円〜(※キヤノンオンラインショップ価格)。

参考情報

https://canon.jp/

2000円でゲットした70年前の二眼レフ「Ricohflex」がよく写る 専用アクセサリで35mmフィルムも装填可能

今年頭に世田谷ボロ市で発見した70年前の二眼レフカメラ『Ricohflex Model VII』。2000円で購入し、固着してい…

関連記事