新型Joy-Con充電スタンド発売から予測する、Switch後継機のコンセプト さらなる移植・リメイクを可能にする形状に?

 Nintendo Switchの純正周辺機器『Joy-Con充電スタンド(2way)』が10月17日に発売される。

 このニュースを意外に思ったゲームファンは案外多いのではないだろうか? 筆者はかなり意外だった。というのも、もし大方の予想通り2025年にSwitch後継機が発売されるのなら、発売前年(しかも下半期)にこのような現行Switch周辺機器が出るのは単純に「なぜ、いま?」という感が否めないからだ。

 5月の「Nintendo Switch後継機種に関するアナウンスを今期中に行う」という任天堂株式会社社長・古川俊太郎氏のXポストから約2ヶ月後に発表されたこの製品は、あるいはSwitch後継機種の形態を占う重要なヒントになるのではなるのでは……と漠然と考えていたところ、編集部からの提案を受け、この予測記事を書いている次第である。

なぜこの時期に『Joy-Con充電器』が発売されるのか?

 とはいえ、この新型充電スタンドが発表されること自体はそこまで「薮から棒」ではない。というのも、「ファミコン名作タイトルの一部をRTA的に競い合う」がコンセプトの新作ゲーム『ファミコン世界大会』が7月にリリースされ、それに伴うように、これまでNinendo Online Storeのみで販売されていた「ファミコンコントローラー」が同月に一般販売されたという流れがあるからだ。

 ちなみに、Joy-Conを本体接続以外で充電するための機器(Joy-Con充電スタンド)は、遡ること6年前(2018年)にHORIより発売されている。

 このスタンドでは最大4台のJoy-Conを充電することができるのだが、今回リリースされた「ファミコンコントローラー」を充電することは(形状上)できない。そのため、ファミコンコントローラーの一般販売に併せて新型充電スタンドが新たに発売されることは、一応理にかなっているようにも思える。

 しかし疑問なのは、なぜ今回の充電スタンドが任天堂から「純正商品」として発売されるのかということだ。さらにはその発売時期である。『ファミコン世界大会』と同時発売ならまだしも、リリースから3ヶ月経ってからの発売となると、実はこの製品は『ファミコン世界大会』ともファミコンコントローラーとも無関係なのではないか? と思えてしまう。そしてもし無関係であるなら、新ハードの発表が来年に迫っているのにもかかわらず、Joy-Conの新型充電スタンドをこの時期にリリースすることは、いささか妙な感じが否めない。

 この「いささか妙な感じ」をさらに掘り下げてみると、来たるべき「Switch後継機」の形状・コンセプトが浮かび上がってくるのではないだろうか、というのがこの記事の主題である。

 ここからは、このいささか時期外れに見える新型充電スタンドのリリースから、いまだ謎のヴェールに包まれているSwitch後継機の形状・コンセプトを筆者の妄想・希望も交えつつ、予測してみたい。

Switch後継機はこんなハードになるかもしれない?

 今回の新型Joy-Con充電スタンドの発売から推測できることが3つある。

①Joy-ConはSwitch後継機でも使用可能?

 これは古川社長がXのポストで新型ハードを「Switch後継機(英語ポストでは“the successor to Nintendo Switch”)」と表現していたことからも推測できる。この新型充電スタンドとあわせて鑑みると、「新ハードが現行Switchと周辺機器・コンセプトを継承している」可能性を示唆しているように受け取れる。

②Switch後継機ではJoy-Conを直接充電することはできない?

 Joy-Con自体は使用できるものの、本体に直接つないだり充電することはできないため、今回、新型充電スタンドを前もってリリースする必要があったのではないか。また、この製品はSwitch後継機にUSBで充電しながら使用する——すなわちJoyCon充電グリップとしての用途——でも使えそうである(冒頭右画像を参照)。

 では、Switch後継機においてJoy-Conはどういった用途で使用するのだろうか?

 おそらく、Switchで購入したソフトを引き継いでプレイするとき(Switch後継機は「後方互換あり」と予測されている方が多いが、筆者もこれに異を唱える者ではない)、またはSwitch Onlineで供給される過去のソフト資産を遊ぶときではないだろうか。

 ここでもうひとつ、比較的手堅い予想を立てることができる。

③Switch後継機は、任天堂の過去ハードでリリースされたソフト資産をSwitch Onlineで引き続きプレイすることができるのではないか?

 現行Switchではファミコン、スーパーファミコン、Nintendo64、ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスまでだったが、おそらく後継機では任天堂ゲームハード史の続きとなる、ゲームキューブ、Wii、WiiU、Nintendo DS、Nintendo3DSといったハードの専用ソフトまで配信されることだろう。

 さて、ここでちょっと立ち止まっていただきたい。筆者はいま、この考察記事のキモとなるところに触れているようだ。WiiU、Nintendo DS、Nintendo3DSと言えば……?

 これらのハードの専用ゲームをSwitch後継機で遊ぶために、現行Switchでは明確に足りないものがひとつある。それはなにか? そう、「もうひとつのスクリーン」である。

Switch後継機は、DS(ダブルスクリーン)を再び採用したハードとなる?

 そうなるとすれば、本体が大きくなる(とくに厚みが増す)ことはほぼ間違いないだろう。それは現Joy-Conがバージョンアップしたようなコントローラー(Switch同様に着脱可能で、より性能の高い振動機能、ジャイロセンサー機能などを持つ)と2つのモニタ(片方、あるいは両方のスクリーンにタッチパネル機能)を持つ、携帯と据置きのハイブリッド機になるはずだ。

 すなわち現行Switch同様、専用ドックを用いてモニタと接続することができる、言うなれば「進化版Nintendo DS」のような形状・コンセプトになるのではないか……筆者はそう予測している。

Switch後継機がNintendo DSの再来になるであろう理由

 ようやく「Switch後継機」に関する推測が出揃った。念のため、筆者がそのような予測に至った根拠を明記しておく。

●DSや3DSにはSwitchの形状によって移植・リメイクできなかったタイトルがまだ宝の山のようにある。Switch後継機は「ふたつのモニタ」を採用することによって、初めてDS/3DS/WiiUの遺産を継承するポテンシャルを持つ。

●この新型ハードをモニタにつなげたまま手元で操作できれば、任天堂は「新しい遊び」として、最大3画面——いわばトリプル・スクリーンでのイノベーティブなゲーム体験を作り出すことができる。

 これらを踏まえて、Switch後継機の予測をまとめてみよう。

●Switch後継機は2画面を有した、Switchよりも大きさと厚みのある折畳み型ハードになるのではないか。

——それは現行Switchのように据置きと携帯のハイブリッド機器で、DSのように2つのスクリーンを持ち、DS/3DS/WiiUの2画面必須タイトルが移植・リメイクされ、2つ(ないし3つ)のモニタを使った新しいゲームが開発・リリースされるハードになるだろう(そうしたタイトルは任天堂、あるいは資金力のあるサードパーティが先手を切ってリリースするだろうが、やがてはインディーゲームシーンでもSwitch後継機でしか出せないようなゲームが増え、そのことはXbox、PlayStation陣営やSteamといった他のゲーム土壌にも多大な影響を与えるのではないだろうか)。

●Switch後継機は、Joy-Conとファミコンコントローラーのみならず、スーパーファミコンコントローラー、64コントローラー、ゲームキューブコントローラー(これはまだ発売していないが)も接続できるハードになる(Wiiリモコンに関しては、Switch後継機に付属するであろう新型コントローラーが形状的にも性能的にもその機能を補えるはずだ)。

——Switch後継機は過去タイトルへの力の入れようが、おそらくSwitch以上に強くなるだろうと予測できる。当然、そこにはゲーム人口のいっそうの増大とユーザーの高齢化も関連している。このことによっても、Switch後継機は古参ゲームファンから子どもたちまでこれまで以上に幅広くアピールする、任天堂ハードの総決算的な製品になるのではないか(個人的には3DSを継承する形で「裸眼立体視機能」まで実装されたらうれしいのだが……)。

 なお、CPUやグラフィックス性能、本体価格の予測に関してはここでは触れない。スペックは当然現行Switchと比べれば著しくアップするだろうし、価格は(これまで同様)PS5、Xbox、そしてSteamDeckといったハードを下回ると思われるが、それは本質的な問題ではないように思う。

 「Joy-Con新充電スタンド」からずいぶん飛躍してしまったが、この製品から来たるべきSwitch後継機の形状やコンセプトを予測してみることはけっして無駄ではないはずだ。筆者の予測がどこまで当たるか(外れるか)はともかく、いまは新型Joy-Con充電器に挿した真新しいファミコンコントローラーを眺めつつ、来たるべきSwitch後継機に思いを馳せていたい。

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