オールスターの目玉は打撃投手? “ノーセンスピッチャー”と評された侍選手とは

牧はノーセンスピッチャー?

 中日のYouTubeチャンネルでは、ホームランダービーに出場する細川成也がフィーチャーされる。カメラマンから細川に「ホームランダービーの打撃投手は決まりましたか?」と聞かれると、「多分牧がやってくれます」と同い年でかつてのチームメイトの名前を出す。ただ、カメラマンは「そっち?」と困惑しながら近くにいる松山晋也とライデル・マルティネスにカメラを向けると、細川は「ライデルとか肩消耗しちゃうんで」とチームの守護神への気遣いを見せる。一方、「松山は(ストライクゾーンに)入んないす」と松山に対する不信感も覗かせた。

 その後、細川のバッティング練習に牧が登板して打ちやすいボールについて相談するなど、準備に準備を重ねてホームランダービーの舞台に立つ。しかし、牧の制球がなかなか定まらずに細川が見送るシーンも多く、結果は4本とあまり数字を伸ばずに初戦敗退。細川の打席が終了した瞬間、牧は急いでマウンドを降りてベンチに向かい、まるで他人事のような顔を浮かべて細川の健闘たたえる拍手を送る。ホームランダービー終了後に細川はカメラに向かって「良いボール投げてもらいました」と牧をねぎらう中、通りかかったタイラー・オースティンから「ナイスファイト」「牧、ノーセンスピッチャー」とフォローされていた。

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連投でヘロヘロに “決勝進出請負人”となった栗原陵矢

 最後はホームランダービーを一番熱く盛り上げた球団・ソフトバンクのYouTubeチャンネルに触れる。近藤から打撃投手に指名された栗原陵矢はその重圧からか、終始せわしない様子を見せる。「動いとかんと緊張する」「マラソン大会の前みたいな感じ」と使い方がわからないトレーニング機器をなんとなくで動かす。緊張感を持ちながらマウンドに立ったおかげなのか、無事に近藤を決勝に導いた栗原は「これで決勝や」とハイになる。翌日、近藤とは別に山川穂高の打撃投手を務める栗原は、山川をも決勝へと誘う。その結果、近藤と山川の対決になり、栗原がずっとマウンドで投げなければいけなくなった。

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 ホームランダービーでの“跨ぎ”という体力的にも、精神的にも過酷なマウンドが続く中、2人の対決は決着がつかずに延長戦に突入。マウンドに張り付けにされたような状態の栗原ではあるが、それでも腕を振り続ける。そして、近藤を優勝に導いた後、ヘロヘロになりながらベンチに引き上げる栗原を選手たちは笑顔で賞賛を送った。

 選手の意外な関係性が知れるだけではなく、打撃投手の責任感も伝わり、オールスターをより一層楽しめる動画ばかりだ。なんにせよ、“決勝進出請負人”となった栗原が、来年のホームランダービーでどのようなピッチングを披露するのか今から楽しみである。加えて、栗原が打席に立つ場合、誰が投げるのかも今から予想したくなった。

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