CDから遠ざかっていたZ世代が“ジャケ買い”に挑戦 サブスクにはない出会い方がそこにはあった

 サブスクで手軽に好きな音楽を聴けるようになり、フィジカルなアイテムとしてレコードが再評価されているいま、CDは少し縁遠いものになってしまっているのではないか。特にZ世代の中には自宅にプレイヤーがなく、パソコンもCDドライブがないノートPCを使っているため、CDを聴く手段がないという人も少なくない。実際に筆者も小学生以来、CDから音楽を聴く機会がなく、棚には特典目当てで購入した未開封のCDが数枚飾ってあるだけだ。

 今回はリアルサウンドテックの編集長から「Z世代がどんなCDに魅力を感じるのかを調査したいから、ピンときたものをジャケ買いしてみてください」と指令を受け、パソコンを経由せずスマホにCDの音源をワイヤレスで聴ける『CDレコ』を手渡されたインターン生たちが、中古CDショップでビビッと来た商品と出会う瞬間を数回にわたってお届けする。

下北沢のレコードショップで運命の出会い

「すみません、こちらはCDですか?」

 音楽はサブスク一択な私がレコードショップで店員さんに話しかけた第一声だ。十数年ぶりにCDと“ご対面”した私は念のため確認をしてしまった。

 私が訪れたのは下北沢駅から徒歩10分ほどに位置するオシャレなレコードショップ『pianola records』だ。日頃はサブスクの「トップ100」などのプレイリストで曲を流し聴きすることも多く、沢山並ぶCDを見てワクワクした。


 私が選んだCDはこちらの2つ。決め手はジャケットだ。個人的に紙のジャケットで環境にも優しいデザインだったことにも惹かれた。

 早速購入した楽曲を『CDレコ6』で聴いてみることにした。本製品はCDより一回り大きいくらいのコンパクトサイズ&軽量なため、持ち運びにも便利だ。本製品にCDをセットし「CDレコミュージック」アプリに読み込むだけでCDをスマホから聴くことができる。

 普段音楽を聴くときはサブスクで手軽に試聴することもできるが、今回は聴くまでどんなジャンルかも分からないので再生ボタンを押す時の緊張感は初めての感覚だ......。

 まずは購入したひとつ目のCD『CAFE MEKONG』から聴いてみる。こちらは私の生まれ年である2003年にリリースされており、ジャケットに魅了され購入した商品だったが運命を感じる。CDをレコーダ―にセットしスマホから再生した楽曲はカフェで流れていそうなエスニックな曲だった。ジャケットから連想する曲はクラシック調だったが意外なメロディーが流れたので驚いた。パステルカラーのピンクのジャケットが印象的な『She Sang Such Lovely Songs on the Radio but I Forgot Her Name』は民族楽器を使った不思議なリズムの楽曲で、正直どちらもイメージと異なる楽曲だった。だが、サブスクでは出会えない、自分で選んだ楽曲たちには、どこかいつもよりも愛着を持って聴いている自分がいた。

 専用アプリでは再生している楽曲と同じジャンルや年代の曲も自動再生してくれるので、気に入った曲調の楽曲に絞って聴くこともできる。

 サブスクで音楽を聴くときには得られない緊張感や聴くまでの過程にハマってしまった私は、父が高校時代に聴いていたというビートルズのアルバムを借りた。4分ほどでスマホへの読み込みが完了し一緒に聴いてみると、父は「懐かしいなぁ」と久々に取り出した懐かしのCDをスマホで聴きながら高校時代の思い出を懐古しているようだった。一方私は父のお気に入りだったCDを一緒に聴けたことが感慨深く、父の青春時代に思いを馳せた。懐かしい記憶も回想させてくれる『CDレコ6』は年代ごとに違った楽しみ方をもたらしてくれるうえ、違う世代同士を繋ぐコミュニケーションツールとしても機能するのかと嬉しくなった。

 CD世代の方は若い世代との交流に、サブスク世代の方は新たな音楽との出会うきっかけに、同製品を使ってみてはどうだろうか。

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