『フリースタイル日本統一』#20ーー白星なしの呂布カルマ、スタンスの違いに「意味分からない」

呂布カルマ v.s. CIMA、平行線を辿ったバトル「別に好きにやったらええじゃない?」

 前回の【#19】に引き続き、TEAM東海(呂布カルマ×泰斗a.k.a.裂固×楓×KANDAI×歩歩)とTEAM兵庫(CIMA×P-PONG×Sirogaras×FEIDA-WAN×だーひー)が、準決勝(五十万石の戦い)で対戦中。KANDAIが連勝すれば、CIMAがひっくり返す。残り1名で背水の陣だったTEAM兵庫が形勢逆転を見せ、TEAM東海のフルメンバーを削りに削り、いまや土壇場まで追い詰めるまでに。TEAM東海も、残すところは呂布カルマと泰斗a.k.a.裂固のみ。状況はほぼ、互角といえる。

 CIMA、5人抜きまであとふたり。最初の相手は、体力満タンの呂布カルマ。先攻は呂布カルマで、ビートは阿修羅MIC「The Men」だ。

呂布カルマ:テレビにめちゃくちゃ呼ばれてタレント扱いされても 俺 テレビでダッサイラップなんかやってない/ここにまた戻ってきて 本物ラップを聴かせる為にやってきた お前となら出来そうだ

CIMA:別に好きにやったらええじゃない? それがHIP HOP Life アンタがどんだけメディアに映ろうが アンダーグラウンドには届かない

呂布カルマ:そらそうや 寝ぼけB-Boy いつも昼まで寝てるから 俺の事なんて見えないから 世間から置いていかれて いつまでも暗い所でウジウジやってんのがB-Boyか?

CIMA:だから好きにやったらええやん 何もお前のスタイル ディスってへんやん だから気になってるのは数字 追っかけてる How many【コンプラ】

呂布カルマ:俺は数字なんかどうでもいいけど 持って帰りたい 今日の1000万 そんなんじゃ全然足んない KANDAIにたくさんあげたいから お前なんかぶっ側して帰りたい

CIMA:いつまでも暗い所にいときなさい ならば俺 KANDAIとアンダーグラウンドに居たい

 若手ながらあれだけの健闘ぶりを見せただけあり、両チームからモテモテのKANDAI。モテラッパーランキングをいま作れば、間違いなく上位に……というのは冗談で、両者のスタンスがぶつかったこのバトル。

 メインの話題は、いわゆる“テレビ”でマスな存在としてセルアウトするかだが、これを持ちかけたのは呂布カルマの方。もしかすると、“アングラ”を大切にし、レプリゼントする意識が強いCIMAだからこそ、この釣り針に引っかかると思ったのだろうか。とはいえ、繰り出されたアンサーは〈別に好きにやったらええじゃない?〉。自分の領域とは無縁だと、垂らされた針に見向きもしない。

 それに対する呂布カルマの返しも秀逸。〈そらそうや 寝ぼけB-Boy いつも昼まで寝てるから〉と、“アングラ”=世間の流れに後退するものだと、イラつきを誘う気の利いた言い回しでチクリと刺す。だが、CIMAもブレることなく“興味なし”の姿勢を貫いたまま、件のKANDAIの取り合いとなった。〈How many【コンプラ】〉のあたり、CIMAのフロウが心地よさも含めてかなりの加点ポイントだったと思われるため、ぜひ見逃し配信で確認してみてほしい。

 平行線が続いたバトルの結果は、2-3でCIMAの勝利に。この番組でまだ白星なしの呂布カルマにとって、スタンスの違いを感じたのはCIMAだけでなく、審査員にも同様らしい。講評に対して「言ってること全然意味わからなかったっス」と首をかしげながら、ステージを去っていった。

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