減少続く『Pokémon GO』スポンサー 吉野家の去就から考える“位置ゲー”長期運営の難しさ

『Pokémon GO』は位置情報ゲームならではの壁を乗り越えられるか

 また、一連の動向からは、位置情報ゲームを長期運営する難しさも見えてくる。仮想世界であれば、運営やユーザーの都合によって自由にコントロールできるはずのゲーム内の要素が、リアルと連動した世界では、スポンサーの去就や建物の撤去、近隣からのクレームといった本来ゲームが持つ体験とは関係のない要因によって左右されてしまうからだ。

 もちろんポケストップやジムを配置する場所は制作側が自由に決められるため、減った分だけ別の場所を選べば、決まった数は担保される。しかし、そのたびにUI/UXが変わり、開発・運営には必要のない負担がのしかかるというわけだ。場合によっては、変化に理解が得られず、ユーザーの反感を買うケースもあるだろう。対応のしわ寄せがそのほかの部分、たとえば不具合の修正を遅らせてしまうこともあるのかもしれない。

 このような動きが軋轢となり、ユーザー離れが加速し、結果としてスポンサーが減少する。『Pokémon GO』はいま、そうした悪循環とも言える連鎖のなかにいるのではないか。潮目を変えるためには、どこかで運営・ユーザー間にある溝を解消するようなテコ入れを行わなければならないのかもしれない。

 かつて一世を風靡したモバイルゲームに降りかかる大きな課題。これは、位置情報ゲームの草分けだからこそ、ぶち当たる壁とも言えるだろう。開発・運営を行うNianticは、この難関を乗り越えられるだろうか。今後の動向を注視したい。

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