「おばあちゃんになるまでコスメ系YouTuberで」　コスメヲタちゃんねるサラが明かす、“プチプラコスメ＝サラ”になるまでの軌跡

コスメ代は年間100万円　コスメ系YouTuberとしての苦悩

ーーたまに動画の裏側的なものが発信されていますが、話していないけど、実は撮影で大変なことはありますか？

サラ：マスカラの塗り比べですかね。マスカラだけをきれいに落とすというのが難しくて、マスカラを落として、またベースメイクやアイシャドウ、アイラインをやり直さないといけないので大変ですね。

ーー比較動画はコスメを揃えるのもひと苦労だと思いますが、1か月でどのくらいの金額がかかっているのでしょうか。

サラ：コスメ代は年間100万円くらいかかるので、毎月10万円くらいです。デパコスのみを使った企画だと、動画1本で10万円くらいかかることもあります。

　はじめた当初はスマホの性能も今ほどよくなかったので、デジカメも買わなきゃいけなかったですし、ライトも撮影用のものが手軽に手に入らなかったので、お金はかかりましたね。

ーーコスメジャンルは競合のクリエイターも多いと思いますが、ほかのコスメ系YouTuberにはない自分の強みはなんだと思いますか？

サラ：自分の強みは、「プチプラレビューはサラさん」みたいなイメージを持ってくれている方が多いこと。「高いコスメはよくて当たり前」という考え方でやっていますが、その考え方についてきてくれている方が多いのかなと感じています。

　年齢的にもちょうどコスメレビュー系の方があまりいらっしゃらないということはありますが、新作アイテムを動画にするスピードや分かりやすさ、動画の本数、ほかの方が取り上げていないコスメ企画も強みかなと思っています。

ーー競合もいるなかで、サラさんの動画の再生数やチャンネル登録者数が伸びた要因や、ターニングポイントとなった動画があれば教えていただけますか？

　サラ：YouTuberとしてやっていけるんじゃないかと思ったきっかけの動画は、「プチプラvsデパコス半顔ver【値段で見た目は変わるのか】」。当時半顔メイクが流行っていて、すっぴんとメイク後で比較する動画はあったんですけど、プチプラとデパコスを組み合わせた動画はまだなくて。

　当時はデパコス信者というか、プチプラコスメに少し懐疑的な方もいらっしゃったので、顔半分をプチプラコスメ、もう半分をデパコスでメイクして、プチプラの実力を見せるためにやりました。反響はけっこうありましたね。

ーー紹介するアイテムのなかには、ほかのYouTuberさんがレビューしているものもあると思います。違いを出すために工夫されていることはありますか？

サラ：そこはあまり意識していないんですが、分かりやすさを重視しています。サムネイルはスーパーのチラシをイメージしているんですけど、全部自分で作っていて、これまで1300枚ほど作ってきました。初投稿のものと比較すると、すごくクオリティが変わってる（笑）。

　海外の方のサムネイルってシンプルなんですが、日本はお菓子のパッケージも「◯◯300％」みたいな、インパクトが強いものが多いじゃないですか。おしゃれなものよりもそういうものの方がより見られやすいかなと思って、激しめのサムネイルにしています。

YouTubeはおばあちゃんになるまでやりたい

ーーサムネイルだけでも歴史を感じますね。今回はコスメ本の発売でしたが、これまでもmysty womanとの洋服コラボやUber Eatsでティーブランド「Tea 4 me」をプロデュースするなど、コスメ以外の活動も積極的にされていますよね。コスメ以外の活動に関してはどのように考えられていらっしゃいますか？

サラ：ありがたいことにお声がけいただくことが最近増えてきまして。コスメとお茶はあまり関係ないですが、私がミルクティー好きなことを知ってくださっている方がいて、お話をいただきました。

　今回のメイク本もそうですけど、人生普通に生きていて、Uber Eatsのプロデュースをすることはない。「これはやらなきゃ」と、せっかくだからやらせていただいています。今後もお声がけいただくことがあれば、いろいろやってみたいなと思っています。

ーーちなみにやりたいことはありますか？

サラ：メイク本もコスメも食べ物もやったので、美容と睡眠をかけ合わせたものですかね。パジャマのプロデュースとか、あとはメイクをするとお洋服が汚れるからメイクエプロンとか。

　YouTubeはできるならおばあちゃんになるまでやりたいですね。コスメの新作は一生出るじゃないですか。我々がいなくなった後も新しいものが出続けると思うので、そのギリギリまで年齢に合わせた提案ができたらいいなと思います。