『ドリアカ』はなぜ世界で注目される? “時代に即した拡散戦略”と“MISSION2における期待感”

重鎮から辛口なフィードバック 脱落者たちの今後にも期待

 日本の視聴者としては、日本人参加者のメイ、ウア、ヒナリの3名をつい応援してしまいたくなる気持ちになるかもしれない。しかし残念なことに、MISSION1の結果発表にて、ヒナリの脱落が発表された。

 MISSION1では、「グローバルポップガールグループとしての実力を高めよ」がテーマに。ダンスチーム2つとボーカルチーム2つ、計4つのチームが編成され、彼女たちはそれぞれの個性あふれる「SHOW CASE」を生み出した。審査員は、ジョイントベンチャー「HYBE x Geffen Records」社長のミトラ・ダラブ、エグゼクティブクリエイターのソン・ソンドゥク、A&Rのチャーリー・クリスティ。世界を股にかけて活躍する音楽界の重鎮からの辛口なフィードバックに、不安な表情を隠しきれないメンバーも続出した。

 MISSION2に進むことができる12人の発表では、高まる緊張感のなかで、次々にメンバーの名前が呼ばれていく。スロバキア出身のアデラ、ベラルーシ出身のイリヤ、日本人のヒナリの3人が最後に残るも、名前が呼ばれたのはイリヤだった。アデラとヒナリの2人は番組初の脱落となり、番組を去ることになった。スペシャルエピローグでは、「1番の応援者としてみなさんが世界に出るのを楽しみにしています」とヒナリが仲間にエールを送る場面も。今回は惜しくも脱落となったが、出場者最年少の14歳ということもあり、彼女はこれからの未来でまだまだ進化し続けていくのだろう。

「布教」行為とうまく結びついた短尺動画での公開

 最後に、『ドリアカ』が広く世界中で注目されている理由には、拡散の仕組みが大きな役割を果たしている。通常のオーディション番組は1つのエピソードが約2時間かかるのに対し、『ドリアカ』は全世界の視聴者のコンテンツ消費傾向に適応した2~3分ほどの短尺動画を公開している。動画を短くすることのメリットは、隙間時間に手軽に観たいパートを観ることができることだけではない。他の人にシェアする「布教」行為ともうまく結びつきやすくなるのである。

 続くMISSION2で提示されているのは、「韓国を訪れ、芸術的表現力と個人の基礎能力以上のチームワークを向上させよ」とのテーマ。生き残ったメンバーの瞳からは、スターの片鱗を感じさせる。世界のアイドル文化を牽引するK-POP発祥の地である韓国で、彼女たちはなにを目にするのだろうか。

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