「メドレーの一曲目は3秒まで」 TikTokでバズるメドレーを生み出し続ける風歌が実践する“ユーザーを繋ぎ止める妙”
いまの活動の礎を築いた下積み時代
ーー小さいころから才能の片鱗があったんですね。
風歌:いえいえ、ありがたい限りです。その後はダンスを始めたり、高校時代からはDJをやるようになりました。
ーーDJを始めたのはなぜですか?
風歌:DJ活動は高校1年生位のころから始めたんですけど、いろんなジャンルの音楽を知っていたほうが楽曲制作をする上で幅が広がるんじゃないかと思って始めました。
ーーDJ時代の苦労を教えていただけますか?
風歌:DJの時代は厳しかったです。18歳になってから、大阪のクラブで毎週レギュラーで回させていただいてたんですけど、意外とDJって縦社会というか、チーム内でちゃんと上下関係があるんです。一番下の子が一番始めに入って、機材の掃除から始めて、一番早い時間に回して、全体の曲の順番とかを勉強していくっていうカリキュラムみたいなものが、誰も言わないけど実はあるんです。
ーー勉強というのは具体的にどういうものなのでしょうか?
風歌:現場で先輩がどういうふうに回しているのか全部メモしてたんですよ。クラブのオープンが21時で、終わりが5時なんですけど、その8時間のあいだに、何時に誰が出てどんな曲を掛けたか全部メモしていくんです。それを毎週やってました。それで「なるほど、この繋ぎ方はカッコいいな」という勉強の繰り返しでした。
ーーその活動を通して学んだことがいまの曲作りにも生きていると。
風歌:たぶんそうだと思います。もしやってなかったら曲の構成とかをまったく無視した楽曲を作ってたと思います。
ーーシンガーソングライターとは違って人の曲を繋いでいくDJの活動に、自己表現できないもどかしさを感じたりはしませんでしたか?
風歌:全然なかったです。むしろ楽しかったですね。曲を聴くことがそもそもすごい好きなので、DJの活動が楽曲制作にも生かせればいいなと思ってましたし、ある意味そこは別で考えてました。