コスパと高級感を両立した 『HyperX Cloud Ⅲ ゲーミングヘッドセット』 初心者にオススメしたい老舗ブランドの最新モデルをレビュー

「最近FPSとかもやるようになったし、そろそろiPhoneの付属イヤホンじゃなくてゲーミングヘッドセットにしたいな」
「でもめちゃくちゃ種類もあるし、なにが違うのかわからないな」
「どうせならカッコいいやつがいい、でも初めて買うから高いのはちょっとな……」

 こんな悩みを抱えている方は、わりと多いのではないだろうか。実際、筆者も「オススメのヘッドセットない?」とゲーム仲間に尋ねられることが増えている。

 デバイスにどれほどお金をかけられるかは人それぞれだが、できることならコスパの良いモデルを選びたくなるのが人の性。そこで、今回オススメしたいのが『HyperX Cloud Ⅲ ゲーミングヘッドセット』だ。ゲーミングデバイス界の老舗ブランド・HyperXから6月12日に発売されたばかりの新製品で、税込み12,980円という価格帯にしては高級感のあふれる造りと、使い勝手の良さを両立したコストパフォーマンスの良いモデルとなっている。

 本稿では実際に筆者が『HyperX Cloud Ⅲ ゲーミングヘッドセット』を触りつつ、リモートワークなど日常生活におけるシチュエーションも想定したレビューをお届けしたい。

ワインレッドのアルミ素材が高級感を演出 もちもちのクッションで付け心地も◎

化粧箱を開封すると、さっそく本体がお出迎えしてくれる。

 開封してみてまず驚かされたのは、フレーム部分のアルミ素材が発する光沢感と、イヤークッションのレザーレット素材による高級感。クッション部分には低反発素材が使用されていて、さわり心地も良い。

 まずは着け心地から確認していこう。長丁場のゲームプレイやリモートワークといったユースケースを想定すると、やはり装着感は重要だ。締め付けはそこまで強くなく(個人差はあるだろうが)、それでいて密閉性は高く感じられるのは良いポイント。周囲の雑音を気にせずゲームや仕事に没頭できるだろう。また、イヤーカップ部の形状がオーバル型(卵型)になっているので、耳に当たって負担がかかるようなことが無いのもうれしい。ヘッドバンドの部分にはクッション素材が使われており、重量も307グラムほどと平均的な重さなので、長時間着けていても疲れなさそうだ。

 ただ、唯一注意したいのはレザーレット素材であるが故に、少々蒸れが気になるところ。スライダーを引き出してあげれば側頭部の辺りに少し隙間ができるので、多少マシになるかもしれない。本製品は9段階でスライダーを調節可能で、片側だけ1つ引き出せばもう少し細かく調節が効く。スライダーからフレームにつながる形状になっており、アルミ素材なため強度がしっかりとしているのもうれしい。使っていくうちにゆるゆるになってしまう心配もなさそうだ。

 音質面では、なかなかしっかりとした解像度のある音を伝えてくれる。若干中音域が強めの印象があるが、これはゲーミングヘッドセットというジャンルを考えれば特に違和感もない。高音域についても必要十分なシャープさがあるので、FPSで敵の足音をしっかり聴き取りたい、という方にはオススメできる。とくに、たとえば段差を降りたときの音のような小さめの音かつ中〜高域の音を聞き逃すには良いセッティングだ。

 低音域はしっかり聞こえつつもそこまで主張が激しくない。これは逆にゲームにおいては嬉しいポイント。銃声の低音が強すぎると、他の音が埋もれてしまうので、「銃撃戦中に後ろで鳴った足音」などのような複雑な音を聞き分けるならこれでいい。いわゆるドンシャリ好きからすると、音楽を聴くときに少々物足りなさを感じるかもしれないが、Windows PCであれば専用ソフト『NGENUITY』でイコライジングをカスタマイズできるので、好みに合わせて調整するとよいだろう。

 定位感はしっかりと感じられ、左右はもちろん前後、遠近までしっかりと聞き取れた。特にこうした定位感が重要になるタイトルとしては『VALORANT』などが挙げられるだろう。「右斜め後ろでまだ遠いな」「この近さは、壁の真裏にいるな」などなど、解像度が高ければ途端に状況把握が有利に進む。このあたりはさすが長年ゲーミングデバイスを作り続けているHyperXブランドだけある。

 機能面を見ていくと、右耳背面側にボリュームコントロールと、反対側にマイクミュートのボタンを備えている。ボリュームコントロールは無段階で調整が可能なタイプだ。軽く指の腹でなぞるように回してあげればスルリと動いてくれる。それでいて感触が軽すぎるということもないので、使用しているうちにいつの間にか音量が変わっていた、といったこともなさそう。細かい音量調整もやりやすい。

 ミュートボタンについては、実用を考えると改善してほしいポイントが2点。一つはBB弾ほどしかないミュートボタンの小ささ。とっさにミュートしたいと思った瞬間に、アルミ部分・ケーブルの固定場所の間にある小さなボタンを手探りで探すのは少々面倒に感じる。もう少し大きくして、周囲が平らな配置になっていると良かったなあ、と思うところだ。

 それから、もう一点はミュートボタンの仕様。ミュートしているのかしていないのかが分かりづらく、LEDが光ったり音が流れるといったこともないのは、正直気になるところ。マイク部は取り外しが可能なので、取り外して別で用意してしまえばいいといえばそうなのだが、少々もったいなく感じる部分だ。

 ちなみにこのヘッドセット、マイクの音質は悪くない。マイク部分の作りも両サイドがアルミのメッシュ素材になっているので質感も良い。コンデンサーマイクほどとまではいかずとも、ガビガビとした安っぽい音にはなりづらいだろう(もちろん、何のハード・ソフトを通してボイスチャットを利用するかにもよるが)。

 まとめると、ミュートボタン周りについてはやはり少々気になる部分があるものの、価格とのバランスを考えれば装着感・入出力の音質に関しては高コスパといえる。対応デバイスも幅広く、PC、PS4、PS5、Xbox Series S|X、Xbox One、Nintendo Switch、モバイル端末など大体のデバイスで使用可能だ。ゲームハード用に購入してのちのちPCでも使ったり、最初はヘッドセットとして使って後々マイクを手に入れたらマイク部分は外して使う。『HyperX Cloud Ⅲゲーミングヘッドセット』はそんな「ステップアップ」をしたい人が購入するにはピッタリのデバイスといえるだろう。

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