「みんなにもボカロを好きになってほしい」　自身のファン・ボカロ好き双方に向けた選曲

ーー今回、宮本さんは「超歌ってみた」ステージで歌唱するわけですが、古くからのニコニコ・ボカロファンとしては、どんなお気持ちでしょう？

宮本：最初にお話をいただいたとき、すごく驚いたんです。「え、ほんとに！？　私が『ニコニコ超会議』に出演者として出るんですか？　マジで言ってますか？」って（笑）。いまでも時空が歪んでるんじゃないかって思っちゃいます。「あれ、私こっち？　入場列に並ばなくていいんだっけ？」みたいな（笑）。

　もうこのあとすぐステージに立つわけですが、いまは楽しみと不安でそわそわしています。名前がつけられない感情というか、どこか不思議な気持ちですね。

ーーこのあと歌われる楽曲は、40mPさんの「恋愛裁判」とバルーンさんの「シャルル」ですよね。この2曲を選んだ理由を教えてください。

宮本：私のことを見に来てくれる方のなかには「宮本佳林がボカロ好きというのは知っているけれど、自分はそこまで詳しくない」という人もいると思うんです。なので、「なんとなく聴いたことがある」と思っていただけそうな有名な曲を選びました。それに、聴いたことがなくても、この2曲なら馴染みやすいかなって。

　「恋愛裁判」は曲調がポップなので、アイドル楽曲を聴き慣れた私のファンも親しみやすそうだと思って選びました。それに私、みんなにもボカロを好きになってほしいんですよ。だから、布教の一環でもあります（笑）。私自身も昔からすごく好きな曲で、当時カラオケで何度も歌って練習した曲なので思い入れもありますね。

ーーある種、歌いなれた曲でもあるんですね。「シャルル」も同じ理由で？

宮本：そうですね。「シャルル」もカラオケで高得点を出したくて、この曲を歌うためだけにヒトカラに通い詰めたくらい歌った思い出の曲です（笑）。

　私、デビュー前はカラオケでも40点ぐらいしか出ないくらいの子だったんですが、母親がすごく鍛えてくれてたおかげで、なんとか人様に歌をお披露目できるくらいになったんです。それまでは調子がいいときでも最高で96点くらいしか出なかったんですが、「シャルル」のときはとにかく高い点数を目指して頑張っていて、初めて自分に対してスパルタになった曲として思い入れがありますね。

ーーありがとうございます。今日のステージやプレイリストの公開など、ボカロ関連でのご活躍が多くなっているタイミングですが、今後やってみたいことや、こういう風に関わってみたいというような目標はありますか？

宮本：ボカロPさんに作ってもらった楽曲を歌ったり、「歌ってみた」を投稿したりしてみたい、という気持ちはすごくありますし、歌い手の方とのコラボもしてみたいです。

ーー視点を変えて、宮本さんが一度「話を聞いてみたい」と思うボカロPさんはどなたですか？

宮本：DECO*27さんですね。“女の子にしかわからないような気持ち”を綴った歌詞はどこから生まれているのか、すごく気になるので。これ、つんく♂さんにもまったく同じ感情を抱くのですが、毎回「どうして女の子にしかわからないような気持ちがわかるんだろう？」と不思議な気持ちになります。

ーー逆に、歌以外の部分ではいかがでしょう？　なにかやってみたいことや、興味のあることがあればぜひ教えてください。

宮本：ニコニコ動画全体に関していえば、そもそも私自身、ニコニコ動画が大好きで、それこそぶっ飛んだ動画も見ていましたから（笑）、どんなことでもやってみたいですね。

　ニコニコからは少し外れてしまいますが、今回『ニコニコ超会議』の中で行われている『VTuber Fes Japan』にちなむと、私自身はVTuberにも興味があるんですよ。バーチャルの身体を手に入れてみたい、という願望があったりしますし、VTuberだけでなくメタバースを含め、新しい世界に参加したいという思いが強いので、どこかでそういう機会があることを楽しみにしています。

■宮本佳林
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