バイク系YouTuberが“身バレ”で動画削除 二足のわらじが生んだ「人気になること」のリスク

 5月1週目、バイク系YouTuberの脳筋ライダーが、会社にYouTubeの活動がバレ、
仕事関連の動画をいくつか削除したことを報告したことがちょっとした話題になった。今回は脳筋ライダーの動画から、身バレのリスクや人気を得ることについて考えてみたい。

 脳筋ライダーは、バイクに関する動画を投稿しているYouTuber。2018年11月に動画投稿を開始すると、人気バイク系YouTuberとのコラボをはじめ、振り切れたキャラを生かした動画でチャンネル登録者数は29万人を突破(5月7日時点)。30万人到達に向け、現在邁進中の動画クリエイターだ。

 そんな脳筋ライダーは無職の期間を経て、2022年1月にベンチャー企業に就職。会社員とYouTuberの二足のわらじを履くと、YouTubeでは定期的に会社関連の動画を投稿していた。脳筋ライダーは「会社の社長にYouTubeバレて修羅場になった」で、自身が勤める企業の社長に「YouTubeやってるのバレました」と告白。これまで妻の同僚にYouTubeで活動していることを発見されてしまったことはあったというが、自身の会社では“あるひとり”を除き活動が明るみになったことはなかったようだ。

 脳筋ライダーによると、昨年にはすでに脳筋ライダーとして活動していることが発覚しており、会社のグチを動画にしていたことから社長から「バチギレされた」とのこと。脳筋ライダーはこの動画で「YouTubeで会社のグチをいってしまったこと、会社の内部を映してしまったこと、まことに申し訳ございませんでした」と謝罪し、結果として会社関連の動画を複数削除するに至ったと説明している。

 ではなぜYouTuberであることがバレてしまったのか。以前、脳筋ライダーの動画に会社の先輩が登場していたことがあったのだが、この先輩から会社内に話が広まり、社長の耳にも届いてしまったという。会社に損害を与えるような動画を投稿していなかったことも関係しているのか、脳筋ライダーは幸い退職には至らなかったそうだ。

 しかし身バレは人づてだけが理由ではないよう。脳筋ライダーいわく、脳筋ライダーの電話番号を知る人物のSNSに、脳筋ライダーのアカウントが「おすすめ」で表示されることもあるという。このSNSのおすすめ機能により、脳筋ライダーは友人に正体がバレてしまったことがあると述べている。

 「いつかバレると思ってました」と話す脳筋ライダーだが、登録者や再生数が増えることによる身バレはSNSで活動するクリエイターたちにとっては切ってもきれない問題だ。「最近マジで身バレがハンパない感じ」という脳筋ライダーは、動画内の内容がネットニュースになることや炎上を避けるために、「どうしても守りに入っちゃいがち」と発言。「なんだかんだ気楽だったのは登録者数数千人の頃だった」と続け、人気者になることへの葛藤も口にしている。

 脳筋ライダーの事例や言葉から読み取れるように、企業に勤めながらYouTubeで活動を行う兼業YouTuberは、時にはさまざまなリスクを伴う。脳筋ライダーは社長から活動を追及された当時について、「ほんとうに退職届を書こうと思いました」と振り返っており、企業によっては「会社をとるか、YouTubeをとるか」という選択を迫られるケースがあることを感じさせられる。

 YouTuberの人気を示すひとつの指標であるチャンネル登録者数。数万人でも登録者がいれば、SNSを通じて正体がバレてしまってもなんら不思議ではない。YouTubeにしてもSNSにしても、誰が見ているかはわからないからこそ、会社員とYouTuberという二足のわらじを履く動画クリエイターは、自身を守るためにもより活動の仕方に注意する必要があるのではないだろうか。

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