「外国人から見た日本」に「低学歴の苦悩」……街頭インタビュー動画が続々YouTubeの急上昇に相次いでランクイン

 4月3週目、YouTubeの急上昇に「Lanaの晩酌」と「wakatte.tv」が投稿したインタビュー動画がランクインした。作り込まれた動画がYouTubeで溢れているなか、なぜ今インタビュー動画に注目が集まったのか。今回は、YouTubeにおけるインタビュー動画の強みに迫ってみたい。

 Lanaの晩酌は、日本在住歴10年のロシア人・Lanaが外国人に日本についてインタビューする動画を投稿しているチャンネル。急上昇に登場したのは、「初来日で外国人が大感激!日本の治安に驚愕【海外の反応】」と題した動画だ。

 この動画では、Lanaが道ゆく外国人に声をかけ、日本に来て驚いたことや日本食など、日本について話を聞いている。人口の半分がアジア人だというカナダ・バンクーバーから観光で日本に訪れている女性からは、「カナダと日本は共通点が多い」という言葉が発せられると、ニューヨークから観光で来ている女性からは「東京は世界の中心だと思う」という意見が出ている。さらに仕事で滞在しているというアメリカ人からは、「日本人はすごく気を遣ってくれるから、言語で困ったことはない」という話が出るなど、日本や世界の新たな側面が垣間見られる動画になっている。

 都内で撮影された今回のインタビュー動画に登場した人々は初来日の方が多かったが、みな街のキレイさや人の多さ、好きな日本食についてエキサイティングに話している。日本での滞在を楽しんでいることが、表情やジェスチャーから存分に伝わってきており、このインタビュー動画は視聴者からもかなり好評だったようだ。

 Lanaの晩酌とともに急上昇入りしたwakatte.tvは、あえて日本の学歴社会を皮肉る学歴第一主義の「高田ふーみん」とお友達の「びーやま」が、受験生と高校生に向けて教育系コンテンツを発信するチャンネルだ。今回は、「【後悔しないために】滑り止めで進学した大学の後悔を聞いてみたら、想像を超える根深さだった...【wakatte TV】#860」という、現役大学生にインタビューした様子を収めた動画が急上昇にランクインした。

 滑り止めで受けた大学に入学し、学生生活を送っている大学生は、インタビューのなかで「劣等感を感じる」と、現在の大学に入学した後悔を吐露。ほかの大学生からは、志望校に合格できなかった場合、浪人はありかなしかという質問に「1年を耐えられるなら浪人はあり」という回答が出ている。就活の場で学歴の差を感じたと話す学生からは、「後悔しないためにもベストは尽くして」「浪人して第一志望に行った方がいい」というアドバイスがあり、学歴社会の厳しさを感じるインタビューになっている。

 いつの時代も変わらない、人生に関するテーマということも反響の要因となっていると考えられるが、学歴という一生ついてまわるセンシティブな問題に、大学生たちが率直な意見を述べたこのコンテンツは見応えがある。さらにこの動画には受験を終え浪人を決めた視聴者や現役大学生のみならず、社会人からもさまざまなコメントが書き込まれており、wakatte.tvがその存在価値を知らしめた動画となったようだ。

 今回取り上げた2本の動画はインタビューの内容こそまったく異なるが、インタビューを受けた素人の人々のリアルな声が聞ける点は共通している。YouTubeには昨今、テレビ番組並みに進化したエンタメ系動画やVlogなど、作り込まれた世界観で人気を集めるコンテンツがひしめいている。そのようななか、素人の素直な反応や言葉が詰まっているインタビュー動画は、人々のリアルな声を届ける役割を担う、YouTubeのなかでも非常に価値があるコンテンツとして注目を集めたのではないだろうか。

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