はなおでんがん、8年間の活動に終止符を打つ YouTuberとして理想的な幕引きに

 チャンネル登録者数170万人超の男性2人組YouTuber「はなおでんがん」が解散した。

 はなおでんがんは、大阪大学基礎工学部卒の「はなお」と「でんがん」によるYouTuberコンビ。2014年11月よりはなおがYouTubeへの投稿を開始し、後に大学時代からの友人であるでんがんが合流。以降は2人で「理系・高学歴」を売りにした企画の数々を手掛け、人気YouTuberの仲間入りを果たした。しかし2022年12月1日に公開した動画で、2023年3月20日をもって解散すると発表。理由は、はなおが、30歳の節目を迎えたことを一つの契機と捉え「YouTuberというフェーズから違うフェーズに突入したい」と希望し、でんがんがその意向を尊重したためと説明された。

 その後、およそ4カ月間、解散に向けて精力的に活動していたはなおでんがんだったが、とうとう最後の日を迎えた。

解散します

 はなおでんがんは2023年3月20日にYouTubeで生配信を実施。これまで、東京大学の学園祭の屋台で数式を使って注文したら伝わるのかを検証する「東大生の店員に理系風に注文したら」と題した動画や、一週間、暗記した円周率の桁数分の所持金でしか生活できない「1週間円周率生活」と題した動画など、独創的な企画を展開してきた彼らだが、フィナーレを飾る企画として選んだのは、まさかの「ペン投げ」だった。

 しかし、これにはワケがある。というのも、2014年11月27日に、はなおが一人で最初にYouTubeへ投稿した動画で行っていたのが、このペン投げだったのだ。ということで「ペン立てにペンが入ったら即解散」というギミック付きで、ペン投げが行われることになった。結果として生配信開始30分あまりでペン立てに成功。はなおがファンからのメッセージを読み上げている最中に、でんがんが投じたペンがペン立てへと吸い込まれ、そこで配信は何の余韻もなく打ち切りになっていた。

 その翌日の3月21日に公開された「解散した瞬間とその後。」と題した動画では、はなおが生配信で伝えきれなかった視聴者への手紙を読み上げた。

解散した瞬間とその後。

 ほかのYouTuberのように「好きなことで生きていく」と腹をくくってこの活動を始めただけではなく、「ただ学生で、その中の日常にYouTubeがあっただけ」というはなお。登録者1万人いったら辞めよう、5万人いったら辞めよう、10万人いったら辞めようとズルズルと活動を継続し「ここまでこれたのは、視聴者の皆さんがただの一介の大学生である僕らをこの世界に引っ張り出してくれたからです。本当にありがとうございます」などと感謝の気持ちを述べた。

 さらに、これまで視聴者から「文系だったけど、はなでんの動画見て理系にしました」「学年で下のほうだったけど、頑張って国立大学に受かりました」「はなでんの動画で話がはずんだことがきっかけで、付き合うことができました」「物理が好きになって物理教師になりました」といったメッセージが寄せられたとし、「確かに誰かの心に届いていて、その人の運命すら変えてしまう力がある。それだけで、たとえ動画が全部なくなって今死んでしまっても、生きていて良かったなぁとそう思います」と万感の思いを語っていた。

 こうして8年間の活動に終止符を打ったはなおでんがん。ペン立てから始まったキャリアをペン立てで終えるという遊び心といい、その後にしっかりとこれまで応援してくれた視聴者へ感謝の気持ちを伝えるという配慮といい、YouTuberとして理想的な幕引きではないだろうか。

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