国内外のZ世代は“常に作業通話”が当たり前? 「mocri」のTwitterトレンド入りから考える

安心感を獲得するための”寝落ち通話”と”作業通話”

 ではなぜ作業通話の人気は世界的な広がりを見せているのか。それはやはり2019年12月から世界中で流行を見せた新型コロナウイルス感染症が大きく影響していると筆者は推測する。人と人との接触が難しくなり、リモートワークが普及してからは、高まる孤独感からオンラインでのミートアップの需要がさらに高まった。「オンライン飲み会」、「オンラインミーティング」が話題となるなかで、作業通話もさらに社会に馴染んでいったように思う。

 学校やオフィスなら集中できるのに、家ではついダラダラしてしまうといった悩みの突破口になったのも作業通話だ。相互監視的なシステムはもちろん、寂しさの緩和や安心感の獲得、応援されているような気持ちになれるところも大きな魅力である。LINE通話やSkypeの出現で「寝落ち通話」をするカップルが登場したが、他者の存在を身近に感じられるという点では「寝落ち通話」も「作業通話」も同様。長らく人が対面できないでいた時代に即していたのだろう。

 近年、リモートワークが選択肢の一つとなり、オフィスを持たないフリーランスも増えつつあるなかで、作業配信はますます需要が高まっていくだろう。勉強や作業との向き合い方や、煮詰まった状況をブレイクスルーする打開策としても有効だ。バグが改善され、またスペース機能が戻ったTwitterでの作業配信の位置付けがどう変化していくのかも、引き続き追っていきたい。

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