主婦トラック運転手YouTuber・ちゃんねるぽん太が語る　トラック運転手の”しんどい印象”を払拭する発信法

トラック業界のしんどい部分だけにフォーカスしない

――運送業界の魅力を多くの人に伝えるために意識していることはありますか？

ぽん太：トラック運転手は長時間労働で低賃金だったり、しんどいと思うことが多かったりだとか、マイナスなことを発信される方はいても、楽しさ、やりがいみたいなプラスの面が情報として表に出てくることが少ないんです。だから、いい部分をいっぱい伝えるように心がけています。

――これまでアップした動画のなかで、操作するのが一番難しかった車両は？

ぽん太：「【大型バス】過去一の緊張感の中で運転させてもらいました」という動画のなかで乗らせてもらった、遠藤運輸さんのバスですね。社長さんが助手席に乗って、クラッチ操作などを教えてもらいました。ただ、トラックのクラッチと違って“入った”っていう感覚がないんです。結局、最後までよくわからないままでした（笑）。

――特殊な車両の操作や運転を習う際、教えていただく方に対して気をつけていることは？

ぽん太：なるべく敬語を使ったほうがいいんだろうなとは思うんですけど、ついつい友だち感覚になっちゃうことも多くて……（笑）。視聴者の方が見やすいようになるべくくだけた感じでかつ生意気になりすぎないように気をつけています。

――動画編集もご自身でなさっているそうですが、多くの方に見てもらえるように工夫していることはありますか？

ぽん太：タイトルをややこしくしない。専門的なトラックの用語とかを並べても、よくわからないじゃないですか。だから、「ヤバい」「怖い」みたいなわかりやすい表現を使うようにしています。

――動画編集で一番大変なことはありますか？

ぽん太：ひとつの動画に対して1時間ぐらい撮影するんですけど、そのいらないところをカットする作業がしんどいです。撮影したものをチェックするときにずっと無言の画が続いたりすると、イライラしてくるんですよ（笑）。以前は細かいところにもこだわって、フルテロップにしたりとかがんばっていたんですけど、それだと編集に時間がかかりすぎるので、いまは要点を絞ってサクッと入れるようにしています。

――家事や子育てをしながらの動画投稿は、時間的にも肉体的にも大変なのではないかと思いますが、ツラいと感じることはないのでしょうか。

ぽん太：ないかなー。自分の性格上、マイペースを保つことを一番大事にしているので、「もうホントに無理！」ってなったら、視聴者さんに謝って、次の週に投稿は回します。

――そうなんですね！　では、自分なりのリフレッシュ法はありますか？

ぽん太：トラックに乗っていることがリフレッシュになっていますね。家族がいなかったら、ずっとドライブしているかも（笑）。

――それは本当に天職かもしれませんね！動画投稿を始めてから約2年半たちますが、ご自身で進化を感じる部分はありますか？

ぽん太：この2年半、予想できない出来事ばかりでした。最初は4tトラックで配送をしていたのが、大型に乗れるようになり、夢が叶って嬉しさを感じていたら、今度はUDトラックスさんと縁ができて、大型陸送の仕事を始めました。それも、UDアクティブステアリングのトラックが走っているのを地元で見て、「あんな仕事があるんだ！いいな〜！」と思った直後の出来事だったんですよ！自分でも驚いています。

――いま、乗ってみたいトラックはありますか？

ぽん太：いや、これ以上言ったら贅沢になっちゃう……けど、強いて言うならVOLVOがほしいかな。ほかのトラックより車高が高いので、ちょっと優越感があるし、内装もゆったりしているんですよ。

トラック運転手のイメージアップにつながるような発信を

――では、YouTuberとしての活動を含めた今後の展望を教えてください。

ぽん太：わかりやすいところでいうと、登録者数10万人を達成することです。あとは、海外に行って、現地を走っているトラックを見てみたい。トレーラーにしても、海外のものはとんでもないサイズなので。自分で運転してみたい気持ちもありますが、車体が長すぎて、どんだけ深視力が必要なんだろうという不安はありますね（笑）。

――将来的に、トラック業界に対する世間の印象がどのようになったらいいなと思いますか？

ぽん太：たとえば、パイロットは職業を言うだけでも、羨望の眼差しを向けられることが多いじゃないですか。ただ、トラック運転手をしていると言うと、「大変だね」とマイナスなニュアンスで捉えられてしまうことがあるんです。もちろん、そういった大変なイメージは根強いので、変えていくのはかなり難しいです。でも、10年前と比べると女性ドライバーが増えるなど、少しずつでも変化の兆しは見えています。世間の印象を少しずつでも変えるため、これからもっとトラック運転手の魅力が伝わるような発信ができたらいいなと思っています。