連載「十束おとはの『テック・ファウンダー』」第4回:『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』
ポケモンの交換、それは“人生の交換”でもあるーー十束おとはの『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』評
2022年も残りあとわずか……! みなさま、いかがお過ごしでしょうか。お久しぶりです、十束おとはです。
11月19日にアイドルを卒業し、現在はゲーム・エンタメ系のとある会社で働きながらゲームタレント・MC・ライターとしても活動しています。
卒業してからまだ1ヶ月程しか経っていないのか……!? とびっくりするほどに、日々たくさんのことに触れていて充実した日々を送っています。周りに感謝です。
そして、ありがたいことに「アイドルを卒業しても、この連載続けませんか?」とリアルサウンドテックの担当編集さんから提案があり、12月からは毎月更新していくこととなりました。
以前よりもゲームとの距離がぐっと近づいたので(元々ゼロ距離ではあるのですが)、これからも大好きなゲームについて、私なりにいろいろ書いていこうかなと思います。末長く、よろしくお願いいたします!
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介するのは2022年11月18日に発売された『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』です。
1996年から続いているポケモンシリーズの最新作。今作では初めてオープンワールドを採用しており、大好きなポケモンたちと自由に世界を駆け巡ることが可能です。バトルシステムでは新しく"テラスタル"が使えるようになっており、簡単に言うと「ポケモンが強くなってキラッキラになって、可愛くて強くて最強モード」になるんです。
ほかにも、ストーリーが3つの軸に分かれていてボリューミーなことや、好きな順番でジムを攻略することが可能なこと(レベルは決まっているのですが)、序盤から伝説のポケモンに乗れること(最初は申し訳ない気持ちでいたのですが、すぐ車のように乗り回し始めました)、「わざマシンマシン」というすごすごマシンが開発されていたこと(マップを隅から隅まで走り回る必要ないの!?)などなど色々新鮮な点があり、今回はかなり挑戦的な作品になったな……。といちオタクは思うのです。
そんななかでも嬉しかったのは、オープンワールド作品としてのポケモンをプレイできたこと。本当に生きてて良かったな、ついにポケモンたちと世界を駆け巡る夢が叶ったんだ……と胸がいっぱいになりました。
もちろん今後に向けての改善点はいくつもあるでしょう。それについて書いてある記事やツイートも見かけましたし、理解もできます。でも、まずは「今作のポケモンはオープンワールドにしよう」と言ってくれた方に最大限の感謝をしたいです。
私がポケモンを好きになってから20年弱。ドット絵のころから私はポケモンとずっと一緒でした。まだ小さかった私は最初の草むらでも悪戦苦闘。話しかけたくもないトレーナーにひたすら勝負を挑まれ、何回もめのまえがまっくらになり、こおりのぬけみちから一生出れなくなって半泣きで攻略本を本屋さんに買いに行ったこともありました。あの時とは違うのですが、今作は良い意味で昔のワクワク感を思い出させてくれるものになっていると感じました。
オープンワールドなので寄り道ばかりでなかなか先に進まないし、ジムに行くのを忘れてポケモンは言うことをきかなくなるし、方向音痴すぎて一生変な方向に走って絶望するし……書いていて思ったのですが、私が本当にポケモントレーナーだったらこんな気持ちになるのかな……。とにかく、新しいことに出会ってワクワクドキドキハラハラする感じをまたポケモンで体験できると思っていなかったので、大変に感動しました。