京都はんなりチャンネル、フィアットをレストア 「イタリア車の鉄板はあまり良くない」と個人的見解を述べる

 旧車関連の動画で人気のYouTubeチャンネル「京都はんなりチャンネル」の動画が急上昇ランキングにランクインした。

【前編】旧車フィアットのレストアに見る、世界の鉄の特徴とは?の巻

 「京都はんなりチャンネル」は、京都市北区の自動車整備工場「斎藤商会」の代表を務める齋藤正さんが運営するYouTubeチャンネル。同社の業務内容は、新車・中古車販売、車検、修理、車体チューニング、レーシングカーメンテナンス、パーツ販売、絶版部品制作と多岐に渡るが、とりわけ、老朽化した旧車を復元するレストアを強みとしている。

【知ってて損しないテクニック】旧車屋さんが教えてくれた、タッチアップペンで小キズを直す!?
【旧車屋さんの日常】2代目シルビアのレストアで、まさかのブツが出ました編

 チャンネルでは、齋藤さんの旧車に関する確かな知見を活かした動画が人気を博しており、中には100万再生を超えるものも珍しくない。特に、2018年7月28日に公開した「【知ってて損しないテクニック】旧車屋さんが教えてくれた、タッチアップペンで小キズを直す!?」と題した動画は429万再生、2020年3月12日に公開された「【旧車屋さんの日常】2代目シルビアのレストアで、まさかのブツが出ました編」と題した動画は539万再生と驚異的な再生回数をマークしていて、チャンネル登録者数は37.6万人を数える(再生数・チャンネル登録者数は2022年11月10日時点)。

 今回、急上昇ランキング入りしたのは、11月8日に投稿された「【前編】旧車フィアットのレストアに見る、世界の鉄の特徴とは?の巻」と題した動画。ルパン三世の愛車として知られるイタリア車「1968年式 フィアット500」を修復するという内容だ。半世紀以上前の車ということもあって、ボディはボロボロ。あらゆるところに鉄板の歪み・さびが見受けられた。

 斎藤さんによると、当時「フィアット500」をはじめとしたイタリアの大衆車は安価で製造されていたという。その上、あくまで「個人的見解」と前置きした上でだが、イタリア車の鉄板は「あんまりよろしくない」とのことだ。朽ち果てた50年以上前の旧車を前に、齋藤さんは「何回も言うけど、俺、板金屋と違うしな。やりたないねんで、ほんまは。粉だらけになるし」とぶつくさ文句を言いながらも、しっかり車体を磨いていく。さらに作業を続けていくと、底板も腐っていることが判明。張り替えるとなると非常に大変であるため、これ以上腐食しないようサビ処理を施すこととなった。

 このように、誰がどう見ても骨の折れる仕事。斎藤さんは「色々考えるところがあるわけですよ、コストのことだったり、時間のことだったり、強度のことだったり、あらゆることが要素として含まれてくるやん?」とぼやきつつも、「そらは新品のボディにすんのが一番いいだろうけどな。誰が望みますか?それを」と、旧車屋としての矜持をチラリと覗かせた。

 なお、レストアの作業中には、昔のイタリア大衆車の特徴のほか、イタ車とアメ車で使用される鉄の違いについても言及していた。こうした豆知識を披露しつつ、巧みな手さばきで旧車を修繕していくことこそ、「京都はんなりチャンネル」の醍醐味。実際にコメント欄には「やっぱ斉藤さんの話は面白い。ずっと聞いていたい」「車の知識ゼロだけど、とても面白く観れた。良い職人なのが存分に伝わった」「国によって鉄板の質が違うってのは興味深い」など、スキルと話術に対する称賛の声が並ぶ。近日公開予定の「後編」の動画で、「1968年式 フィアット500」がどのように変身するのか、引き続き注目したい。

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