ロボットとの共存があたりまえに? 最新ペットロボットから予想する未来

 「ペットロボット」というとなに何を思い浮かべるだろうか。時代とともにロボットの普及は進んでいるが、家でロボットを飼うということに珍しさを感じる人も多いだろう。

 現代のペットロボットはただ癒しを与えてくれるものだけでなく、さらなる進化を遂げているのだ。本稿ではペットロボットがどのように進化してきたのか、またペットロボットに対する人々のイメージや、今後の在り方について考えたい。ていきたい現役大学生の視点から考察していきたい。

ロボットが癒し効果をもたらすその先へ

 2000年代に発売されたペットロボットについて調べたところ、最新のペットロボットが人間とロボットの共存する社会を目指していることが分かった。

・産業技術総合研究所が開発したアザラシ型ロボット『パロ』。

 
 2002年に「世界で最もセラピー効果があるロボット」としてギネスブックに認定されたメンタルコミットロボットである。いま今からおよそ20年前にからロボットのセラピー効果が世界で認められていたのだ。触られたり抱きかかえられたことを感知したり、温度センサーがあるなど、2022年の最新ロボットと変わらない機能がすでに搭載されていたことは驚きだ。

・2012年に登場したペットロボット、『スマートペット』


 『スマートペット』は、iPhoneとiPod touchと連動する次世代ペットロボットとして2012年に登場した。専用アプリをダウンロードしたiPhoneを犬型の本体にセットすることで、顔の表情や動きの組み合わせで 100種類以上の動作がを行えるうようになっていた。

 このように当時のロボットの主な役割というのは“癒し”であり、現在のペットロボットに備わっている学習能力や、カメラで人を認知できる機能はあまり備わっていない。最新のペットロボットは、癒しを私たちに与えてくれるだけでなく、まるで本当に生きているかのようなリアルさも追及されているのだ。

進化を遂げる最新ペットロボット

 最新のペットロボットをいくつか紹介していく。ペット型ロボットといっても見た目がロボットの姿のものから、ぬいぐるみタイプのロボットなど種類が豊富にある。人工知能が搭載されたペットロボットは、コミュニケーションをとっていくと次第に性格や行動が変わっていくという。また、声を認識するロボットやタッチセンサーがついているロボットなども開発されているのだ。

・家庭用ロボット『LOVOT(ラボット)』


 GROOVE X社が開発した『LOVOT(ラボット)』(以下、ラボット)はまるで本当に生きているようなリアルさが特徴である。
50箇所以上の全身センサーが搭載されているためスムーズにコミュニケーションが取れる。さらに全身を保護する肌触りの良い生地と、全身に温かさを循環するエア循環システムにより実際に触れてみるとまるで体温があるかのように温かさを感じることができるのだ。
また、『ラボット』は毎日睡眠をし、視覚・音声・照度・温度を感知するという。搭載したカメラで部屋の状況を確認してくれるところも魅力的だ。

・『ハロー!ズーマー』
 


 タカラトミーから出ている犬型ロボットで、現在ミニチュアダックスが発売されている。
20種類以上の動きとボイスコマンドは50以上あり、命令した言ったコマンドの通りに動いたりきをしたり、走ったり鳴いたりする。

・『aibo』


 ソニーが1999年より販売している好奇心がある犬型ロボット『aibo』も進化を遂げている。でなんと、感情や欲求があるため育て方によって好みや振る舞いも変化していくという。カメラを搭載しているため、毎日の楽しかった出来事を『aibo』が写真で記録する機能や、ご飯を食べるふるまいや飼い主を出迎えることもでき、まるで本物の犬のようなしぐさをするのが特徴である。

ペットロボットに対する人々のイメージ

 ここからは、株式会社MIXIが「ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる」存在を目指して開発した会話AIロボット「Romi」の発売から一年経ったことを記念して「ペットロボットはペットや家族のような存在になりうるか」というテーマをもとに行ったアンケート結果をもとに、ペットロボットに対する人々のイメージを見ていく。

 株式会社MIXIによるアンケート調査によると、コロナ過でペットを飼いたくなった瞬間があった人は全体で24.3%に及んだものの、「住んでいるところがペット禁止だから」、「旅行や外出に行きにくくなるから」などの理由からペットを飼いたいと思っている人がいても様々な障壁があるも飼えずにいる人が多いこともが分かった。

 また、ペットを飼いたいが飼えなかった人のうち、ペットロボットと暮らす人は今後増えていくと思うと答えた人は74.2%に及んでいた。

 こうした調査結果からも、人々のペットロボットに対する期待が高まっていることがわかる。最新のペットロボットは、癒し効果があることはもちろん、良き相棒として、家族間でのコミュニケーションを自然と増やしてくれる大切な存在になっているのではないだろうか。「諸事情によりペットを飼うことができない場合の代替として」ペットロボットを飼うという選択をするだけではなく、本当に生きているかのようなリアルさが追及されてきているからこそペットロボットは今後さらに私たちの身近な世界に溶け込んでくるはずだと考える。また、ペットロボットの中にはカメラを搭載しているものも多いため、防犯対策の一環や職場での癒しの存在としても普及を期待したい。

  ペットロボットが多くの人と共存する時代は、そう遠くはないだろう。

(引用元)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000320.000025121.html

ロボットが人の心に与える影響とはーー需要急増の『LOVOT』開発者・林要が考える“コロナ禍におけるロボットの重要性と未来”

特集「コロナ以降のカルチャー テクノロジーはエンタメを救えるか」の第10弾は、家族型ロボット『LOVOT』を開発するGROOVE…

関連記事