スマホ世代を巻き込む“音楽コンテンツの企画性”とは? Vaundy×マカえん・はっとり対談と『ABEMA SONIC』から紐解く

 もう一つ、新世代アーティストと配信プラットフォームを掛け合わせた音楽企画でチェックしておきたいのが10月26日に豊洲PITで開催される『ABEMA SONIC 2022』だ。このイベントに出演するのが、ネットでの動画総再生回数が8億回を超えているCHiCO with HoneyWorksや、ボカロPとして活動を始めて現在はシンガーソングライターとして注目を浴びるキタニタツヤ、自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」がネット上で大きな話題を読んだyamaといったインターネット登場以降のアーティストたち。まさに今SNS上を賑わす面々が揃っているのだ。こうしたアーティストたちをリアルな場所にも出演させることによって、彼らの世代をひとつのムーヴメントとして見せる力があるだろう。ネット上の盛り上がりはなかなか実態が見えにくい。だがこうしてイベントとして企画することで、ある種シーンを可視化することができる。

yama

 ところでコロナ禍以降、音楽ライブをネット配信で観賞する人は確実に増えたと思われる。現場に足を運ぶのが不安だという人もいるだろうし、単純に交通の便が理由だという場合もあるだろう。特に後者の理由は、ネット発のアーティストのファンに多いはず。上述したVaundy自身もJ2Uにて「ライブに自ら行くことはあまりなかった。音楽は家のなかでヘッドホン越しに楽しんでいた」と語っていた通り、新世代の音楽リスナーは、リアルな場に足を運ばずとも、音楽との接点を持ち、楽しんでいる。そして、たまたまネットで見つけたアーティストが、自分の住む街とは遠く離れた場所を活動拠点としているなんてことはよくある話。そういう時に嬉しいのがインターネット上での配信ライブである。『ABEMA SONIC 2022』はそういったユーザーも巻き込むために、有観客で行われるほか、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」でも生配信される。配信であれば全国のリスナーに届けることが可能。全国的な盛り上がりのポテンシャルを持ったこのシーンに、配信ライブは必要不可欠だ。

 ある意味で、サブスク時代のリスナーをターゲットとしたこれらの企画。こうしたスマホ世代を取り込む企画は、今後も増えていくに違いない。

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