47都道府県の男性を“大変身”させた二人組がサロン設立へ　YouTubeの持つ新たな可能性

　10月3週目は、大変身ちゃんねるが1年間にわたる日本一周企画を終え、その最後の様子を収めた動画が急上昇入りした。47都道府県で男性たちを”大変身”させ、ようやく旅を終えたふたりだが、今回の動画で発表した今後にも大きな注目が集まっている。大変身ちゃんねるの驚くべき今後とは一体どのようなものなのか、YouTubeのもつ可能性とともに考えてみたい。

　元日本一の理容師の澁谷と元ナンバーワンホストのクリスからなる大変身ちゃんねるは、2021年4月にさまざまな悩みをもつ男性たちの髪を切り、ファションを一新、“大変身”させるという企画をYouTubeでスタート。同年10月からは、47都道府県をめぐり、各地で男性たちを大変身させてきた。途中には、ふたりの大事な相棒である車が故障、廃車になるというトラブルが発生。2022年2月にはクラウドファンディングで約1200万円の資金を集め、支援者たちの思いをのせた新しい車が完成すると、マネージャーとして新たに大樹が加わり、再スタートを切っていた。

　今回の動画では、最後の大変身の場所となった北海道から東京に戻ってきたばかりの3人が、兵庫県にあるクリスの実家に向かうことに。クリスの実家は、実はこの旅のスタート地点。クリスの祖父がこの旅1人目の大変身者であったこともあり、クリスの実家が真の意味でのゴールだ。クリスの実家には、大樹の呼びかけで集まったクリスと澁谷の両親、クリスの祖父母と妹、親戚が大集合。この日が初対面だったクリスと澁谷の両親だが、2家族で旅の終わりを祝った。

　この動画でふたりは、今後についても言及。その内容は、東京に店舗「大変身サロン」を構え、これまでYouTubeで行ってきた大変身企画をサービスとして実際に提供するというものだ。クリスによると、日々視聴者から「変身したい」「カッコよくなりたい」「人生変えたい」というDMが膨大にふたりに届いており、そのことが店舗を構える理由になったという。なお、YouTubeでは男性のみが参加できた大変身企画だが、店舗ではこれまでの要望に応え、女性客も大変身できるようになると説明している。

　YouTubeの企画をリアルな店舗で提供することは、YouTuberからすると、すでにYouTubeで再生回数が取れているコンテンツを世に出すことになるため、ある程度の数字を見込めるというメリットがある。これまでの活動を見てきた視聴者にとっては、画面越しで見てきたものを体験できるとあり、たまらない場所になることは間違いない。人気企画をリアルなサービスとして提供することは、YouTuberと視聴者の双方にメリットがあることがわかる。

　しかし、現在はまだ澁谷しか大変身させる人材がいないため、男性の大変身を担当できるスタッフのほか、女性のメイクやコーディネートができるスタッフの募集も行っている段階だ。女性を大変身させることができるようになれば、より「大変身したい」という声が増えることは想像に易い。クリスが「コンテンツに幅が出る」と発言している通り、よりチャンネルも活性化するだろう。

　「需要に応えたい」「もっと多くの人に人生を変えるようなキッカケを作っていきたい」という澁谷とクリスの想いから生まれた、YouTubeの企画を実店舗で提供するという新しい流れ。これまではアパレルブランドを立ち上げ、グッズを販売することがYouTuberたちのビジネスの主流だったが、今後は大変身ちゃんねるの試みがYouTuberたちのビジネスモデルとして定着していく可能性もある。大変身ちゃんねるが見せたYouTubeの新しい可能性に、今後も注目したい。

※記事初出時、クラウドファンディングの目標金額について、一部誤りがございました。訂正してお詫びいたします。