グループYouTuber・アバンティーズが今月1日に投稿した動画内で「無期限の活動休止」を発表。昨年より留学していたリクヲも帰国し、現メンバーである3人揃っての報告となった。

メンバーの病気を報告

　冒頭では、久々の3人揃っての撮影であることに触れ「お久しぶりです」からスタート。メンバーの1人であるリクヲの留学に伴い、昨年10月よりそらちぃとツリメの二人体制となっていた。また、前回の動画から2カ月の期間も空いていた。

　その理由の1つとして、ツリメが精神的な病気を罹ってしまったことを報告。二人体制を試行錯誤しながら頑張る中での出来事だったようだ。今回の活動休止にも繋がっており、「無期限」と掲げた理由についても「ツリメに期限を決めずゆっくり休んでほしい」という思いからなようであった。

YouTube黎明期を支えた11年の活動

　アバンティーズは幼馴染のメンバーらで結成されており、中学生時の2011年7月にYouTubeチャンネルを開設している。本格始動後は、そらちぃ・ツリメ・リクヲ・エイジの4人組として活動してきた。2011年と言えば、ヒカキンが現在のメインチャンネルである「HIKAKIN TV」を開設したのと同時期となる。当時はまだYouTuberという職業も存在していないほどのYouTube黎明期であり、彼らの活動は長く、今年で11年目となる。

　人気を増していく中で、今では当たり前のようになっているYouTuberの音楽活動や映画出演にも早くから挑戦してきた。2017年にはメンバー全員が主演した映画『スクールアウトサイダー』の公開や、翌年には1stシングル『アバみ』をリリース。様々なことに果敢に挑戦し、YouTuberの多様性や可能性を切り開いていったのだ。

「4色を3人で出す」ことの難しさ

　そんな矢先である2019年1月、メンバーであるエイジが旅先の海で水難事故に遭い、帰らぬ人となった。この出来事はメンバーにとっても視聴者にとっても大きく、その後のグループ活動にも多大な影響があったと見られる。

　メンバーは夢半ばで亡くなってしまったエイジの思いを引き継ぐべく、また視聴者による「アバンティーズは永遠に4人組である」という期待も大きく。「4色を3人で出す」という活動をその後、試行錯誤してはみたが、結果的にあまりの難しさにメンバーは壁に直面することとなった。

　そのことについても、今回の動画内で語られている。

　あらためて「エイジが担っていた役割は大きかった」ということや、自分達もそれを感じている中で「4色の頃が好きだった」という視聴者の声にも苦悩したようだ。

　またそこに、コロナ禍によってイベントや屋外での活動を行えない制限や、芸能人のYouTube参入など、YouTube自体に大きな流れの変化もあった。

　メンバーの中には状況に対応するべく「変わらなくてはいけない」という思いと、「4色の伝統を守りたい」という2つの思いにも、また大きく葛藤していたことが伝えられた。

　動画内ではそれを「対局する課題の中でもがき、バランスを失い自滅してしまった」と表現するシーンもあり、その様々が迷走となり、画面越しに視聴者に伝わってしまっていたことについては謝罪する場面も見られた。

　「4人でアバンティーズ」という絶対的な色を持ち、学生時のような「やりたいことをやる」というスタンスやバランス自体が、すで取れなくなっていたことが真摯な言葉で説明されたのだ。今回の活動休止はリクヲの留学でもツリメの病が決定打となったわけでもなく、これまでの活動の中で抱えてきたものであることが分かる。

　しかし、エイジが亡くなった後も「続けるという決断をした3年8カ月を歩んだ挑戦は間違っていなかった」「僕らはYouTubeを辞めません」「アバンティーズが解散することは未来永劫ない」「心からアバンティーズを愛してます」といった力強い言葉で動画は締めくくられている。

　しばらくは個人チャンネルなどで個々の活動を続けていくと報告。その上でアバンティーズの動画の原点でもある「やりたいことをやる」に個々が専念すると宣言した。それが「未来の新しいアバンティーズ」に繋がっていくことや、もともと友達であったことから「親友にまた戻れると考えたらプラスに思う」と、あくまでも前向きな選択であることを報告した。

　動画内では終始、自然体で和やかな雰囲気で視聴者に語りかける様子が見られた。そらちぃは以前より続けてきた音楽活動などを、ツリメは療養しながらビートボックスの動画を、リクヲは留学先のアメリカでの日常をと、個々の活動が「将来のアバンティーズの血や肉となる」との言葉を信じ、彼らの再始動を末長く待ちたいと思う。