『RUST』のゲーム配信、なぜ盛況? 100名以上のストリーマーが織りなす奇想天外な人間ドラマに注目
サバイバルゲーム『RUST』の国内シーンに追い風が吹いている。と言うのも、有名ストリーマー勢がこぞって同作をプレイし、笑いあり涙ありの魅惑的なプレイ模様を連日にわたって配信しているからだ。元DetonatioN Gaming所属のストリーマー・ソバルト氏が発起人となり立ち上がったプライベートサーバーには、6月13日時点で100名を超えるプレイヤーが参加。界隈の垣根を超えたストリーマーたちが集まったことで様々な相乗効果を生み出している。
本稿では『RUST』のゲーム性を踏まえつつ、このタイミングで流行している理由やプレイ配信の魅力について言及する。
クラフトとサバイバル要素に満ち溢れたマルチプレイヤーゲーム『RUST』
『RUST』はイギリスに拠点を置くFacepunch Studiosが手掛けたサバイバルゲーム。2013年12月に早期アクセス版のリリースが始まり、少しずつシステム面のブラッシュアップを重ねていき、2018年2月に正式版が発売となった。同作はオンライン専用のマルチプレイヤーゲーム(MO)であり、「素材アイテムの組み合わせや建築等のクラフト要素」「体力・喉の乾き・空腹度の概念に沿ったサバイバル要素」が大きな特徴として挙げられる。ゲーム開始直後、プレイヤーは素っ裸の状態で大地に立ち、周辺から食料および手頃な石器類を確保して寝床を制作。野生動物やNPCの襲撃から身を守りつつ、危険を退けて生存することが求められる。端的に伝えるならば、『マインクラフト』並びに『DayZ』を彷彿とさせるイメージだ。
同作の舞台には草原、砂漠、丘陵といった自然豊かな地域に加え、軍事施設や石油の掘削現場などの人工の産物も見受けられる。プレイヤーはそうした場所に拠点を築いて平穏に暮らすも良し、または同じサーバーに参加している他プレイヤーと積極的に交流するも良し。何なら傍若無人に徹して拠点破壊に勤しんでも良い(一部サーバーごとのローカルルールに従う必要あり)。ストーリー上の目標は特に設定されておらず、始まりから終わりまで自由に振る舞えるのが『RUST』の特性であり、同時に魅力と言えるだろう。正式版リリースから4年が経過した2022年現在も人気は衰えておらず、本稿執筆時点の6月13日もSteam(PC版)の同時接続プレイヤー数はピーク時で111,758人を記録していた。
そんな『RUST』の国内シーンにおける直近の盛り上がりは、冒頭で述べたソバルト氏のサーバー開設、およびストリーマーイベントの開催決定が大きな理由とされている。流れとしては「ストリーマーイベント開催の告知→ストリーマー専用サーバー開設→ストリーマーがプレイ配信を始める→徐々に参加者が集結」というもので、プレイ配信のクリップや切り抜き動画がYoutubeとTwitch上で広まり、それを見た視聴者の間で『RUST』の知名度や話題性が日毎に増加傾向にある。普段は別タイトルを配信しているストリーマーもサーバー開設を機に『RUST』を配信し始めただけでなく、配信をきっかけに『RUST』を触った視聴者も続出。結果として新規ユーザー層の拡大に結びついたのも興味深いポイントだ。