“公認浮気”、“婚活サバイバル”……恋愛番組の「ありえない設定」にのめり込んでしまうワケとは

 最近の恋愛番組は、あまりにも奇抜な設定に驚かされるものが多い。なかでも、“公認浮気”をテーマにした『隣の恋は青く見える』(ABEMA/以下、『隣恋』)は危険度が桁違いだ。同番組では、第一段階として、相手との今後の関係に悩めるカップルがお互いの合意の上で“お試し破局”をする。ここまでは、実際の恋愛でも起こりうるだろう。しかし、『隣恋』では、その直後に公認浮気生活がスタートしてしまうのだ。元恋人の前で、別の相手とデートをしたり、イチャイチャしている写真を見せつけたり……。嫉妬させたい気持ちも相まって、浮気相手との距離が一気に縮まっていく。

【隣の恋は青く見える3👀1話フル】

 ただ、その過程では『隣恋』ならではの切なさもある。現在放送中のシーズン3では、元恋人の気持ちが、別の相手に向いていると知ったメンバーが、「10ヶ月付き合ってた私が、(出会って)3日の子に負けるってこと……」とつぶやく場面があった。異常なスピードで恋が進んでいくのも、“公認浮気”という非日常な設定だからこそ。私たち視聴者も、「自分が、この番組に参加していたらどうするだろう」「そもそも、参加するのかな?」と考えていくうちに、番組の世界観にのめり込んでいく。そして、1週間の共同生活を経て参加メンバーたちの気持ちはどのように変化するのか?「運命の人は本当にこの人なのか…」そんな迷える気持ちに終止符を打つため、最終日に“別れ”、“復縁”、“新しい恋”のいずれかを決断する。

 また、“結婚”を題材にした作品でも、非現実的な設定のものは多い。その代表的な例は、婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』(Amazon Prime Video/以下、『バチェラー』)だろう。新シーズンが始まるたびに、大きな話題を集めている『バチェラー』シリーズ。同番組では、成功を収めた1人の男性(=バチェラー)のパートナーの座を勝ち取るために、複数の女性たちがしのぎを削っていく。

 婚活サバイバルなだけあって、全員が結婚を意識して参加しているものの、その実態は一般的な“婚活”とはかけ離れている。結婚相談所や、婚活パーティに出向き、たくさんの出会いのなかから運命の相手を見つけるのがオーソドックスだとしたら、1人の男性を奪い合う『バチェラー』は、かなり異色と言えるだろう。バチェラー側にとっては素敵なシチュエーションかもしれないが、女性陣からしたらリスクが高すぎる。しかし、最終的に結ばれたカップルたちは、みな“純愛”に見えるのが面白い。たくさんの異性にアプローチされた上で、たった1人を選び抜いたという点に、運命を感じるのだろうか。

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