『ストリートファイター6』では“知識”の必要度合いが下がる? 変化が予想されるゲーム性について考えてみた

 2022年2月21日、『ストリートファイター6』(以下、「スト6」)の制作が発表された。

 本記事では、過去作の『ストリートファイターIV』(以下、「スト4」)、『ストリートファイターV』(以下、「スト5」)から『スト6』のゲーム性を予想するとともに、同作への期待について記していく。

『ストリートファイター6』ティザー映像

操作難易度の易化

 まず、『スト6』は、操作難易度が易しくなることが予想される。理由は新規層を取り込むためだ。現状、対人戦での駆け引きを楽しむためには、高度な操作技術が要求されている。初心者が気軽に遊ぶには、格闘ゲームは難しすぎるのだ。

 2D格闘ゲームをプレイしたことがある方なら誰しも、コマンド入力の難しさを感じた経験があるだろう。難しい操作を会得することに喜びを感じる人もいれば、挫折してゲームを止める人もいる。複雑な操作は、コアな格ゲーファンにとっては醍醐味だが、初心者にとっては大きな障壁だ。新規層を集めるには、操作難易度を見直す必要がある。

 なぜこのようなことを書いたかというと、『スト5』では『スト4』に比べて操作が大幅に簡単になったからだ。たとえば、通常技の先行入力の導入は操作難易度を大きく下げている。『スト4』では、あらゆるシチュエーションでシビアな目押しが要求されていたため、基本的なコンボですら、初心者にとっては驚異のハードルだった。一方、『スト5』は先行入力を導入したため、慣れれば簡単にコンボを繰り出せるようになっていたほか、『スト5』にはコマンド入力無しで必殺技を繰り出せるキャラクターが登場している。簡単に操作できるキャラクターを使えば、初心者でもすぐに対戦を楽しめたことは、同シリーズにとって大きな意味のあることだったように思う。

 『スト5』の操作難易度は易しく、対戦を楽しむまでのハードルが低い。しかし、それでも思い通りにキャラクターを動かせずにストレスを感じる層は多いため、さらに操作難易度が易しいシステムやキャラクターが登場するというのは、そこまで大胆な予想でもないはずだ。とはいえ、格ゲーならではの複雑な操作を求めるファンが多いのも事実。初心者とコアなファン、双方に寄り添った操作難易度が求められる。

『スト6』で重要になる要素とは

 格闘ゲームの勝敗には、いくつかの要素が関係している。技術や知識、それからアクション要素(操作の巧さ/反射神経)などだ。まず技術については、先述のように操作難易度の易化が予想できる。上級者以上の対戦ならば、技術により勝敗が決する機会は少なくなるだろう。

知識を求めないゲーム性

 『スト6』では、知識をそこまで求めないゲーム性が採用されると予想する。過去作を振り返ると、『スト4』は『スト5』以上に知識が重視されるゲームだった。それぞれのキャラクターはユニークな連携技を持っており、適切に対応するだけでも一定の知識が要求された。最たる例は「起き攻め」だろう。『スト4』では、ダウンを奪ってから強烈な攻めを仕掛ける「起き攻め」が勝率に直結する要素だった。相手が仕掛ける「起き攻め」の防御手段を知っていないと、それだけで完封されてしまうほどだ。

 一方、『スト5』では知識が要求されるシチュエーションは減少した。もちろん、知識がなくても勝てるわけではなく、わずかな知識差で勝敗が分かれることもある。ただ、『スト5』では「起き攻め」のシチュエーションが減少。『スト4』で猛威をふるった「起き攻め」に特化した攻めは、『スト5』では通用しないのだ。

 『スト6』でも、知識による差で勝敗が決するゲーム性は採用されないだろう。eスポーツを意識する作品であるならば、競技性を重視するはずだからだ。となれば、過去作以上にストリートファイターシリーズの醍醐味である「地上戦」や「読み合い」が重視されるゲーム性になるのではないだろうか。そうなれば、重視されるのはアクション要素だ。

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