『ストリートファイターV』6周年! プロシーンとコミュニティの変化を振り返る

PS4からPCへ、プレー環境の一大変革

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン大会が主流になると、ゲームをプレイするハードはPS4からPCに移行した。理由はシンプルで、PCの方がラグが少ないからだ。60分の1秒の反応が勝敗を分ける格闘ゲームでは、ラグの少なさは勝率に直結する。

 では、なぜ新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けるまでは、PS4が一般的だったのだろうか。大会運営サイドの視点から考えると、オフラインの大会でPCを大量に用意するコストは甚大だ。そのため、ほとんどの大会でPS4が使用され、大会に向けての練習にもPS4が使われていた。しかし、オンライン大会となれば話は変わる。自分のプレー環境を自分で決められるからだ。勝率アップに直結するハイスペックPCの使用は必然だっただろう。

 PC版を使用するメリットは、多くのプロゲーマーの個人配信を通じてコミュニティへ発信された。それを耳にしたコミュニティにもPC版移行の波が押し寄せる。昨今では上級者のほとんどがPC版に移行しており、「勝ちたいならPC版を使う」といった風潮が高まっている。

PC版移行によるゲーム性の変化

 ラグの少ないPC版では、これまで不可能とされていた行動にも反応できる。結果、相手キャラクターの動きを目視してから、的確に対処する戦法が強力になった。格闘ゲームで勝つために必要とされる要素はさまざまだ。戦術、メンタル、読みの鋭さ、思考の早さ、そして反応速度など。その中で反応速度が占める比重が高まりつつある。ここで考えるべきは、この変化はメーカーが意図していたかどうかだ。PC版への移行のきっかけは、新型コロナウイルス感染拡大の影響だった。これは偶然の結果であり、メーカーが意図していなかった変化である可能性が高い。今後新作が発売されるとして、そのゲーム性はどうなっていくのか。プロゲーマーはもちろんのこと、多くの格闘ゲームファンからの注目が集まっている。

画像:SFL公式サイトより

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