味の素で28日間熟成させた牛肉はおいしいのか? 海外の肉専門YouTubeチャンネルが実験

 肉好きのあなたに、ぜひ視聴してほしい海外YouTubeチャンネルがある。チャンネル登録者数296万人、アメリカのYouTubeチャンネル「Guga Foods」だ。肉専門の料理系チャンネルで、おもに肉を使った実験動画を投稿している。

 なかでも1つ、日本人にも馴染みやすい実験動画がある。それは「Insane UMAMI Dry Age Experiment」という動画。内容は、うま味調味料の「味の素」で牛肉を28日間熟成させればどうなるのか、というものだ。

Insane UMAMI Dry Age Experiment

 味の素のおもな原材料は、グルタミン酸ナトリウム(MSG)。トマトや卵黄、きのこなどの食べ物に含まれる成分だ。日本では「うま味調味料」とも呼ばれる。

 牛肉の75%は水なので、味の素をそのまま肉の表面にまぶしてしまうと、肉が吸収してしまう。そのため、味の素に少量の水を加えて、ペースト状にする(調整が難しいので、家庭では試さないようにとの警告がある)。

 動画で使用する牛肉は、骨付きのリブロース。牛肉を包み込むように、ペースト状の味の素を大量にまぶしていく。その姿は、まるで雪のかまくらのようだ。

 28日間、この牛肉を冷蔵庫(1℃)で熟成させる。ちなみに、この熟成方法を「ドライエイジング」と呼ぶ。ドライエイジングによって熟成が進むと肉質は柔らかく変化し、タンパク質は分解され、旨味成分のアミノ酸が増していく。

 28日後、冷蔵庫から牛肉を取り出す。肉の表面を覆っている味の素は形状が変化し、まるでポップコーンのようになっている。肉の表面は、キレイなピンクからやや黒みがかった色に変化している。さっそく、牛肉の余分な脂肪を包丁で取り除き、BBQスタイルで肉を焼き上げる。

 いざ実食。何も調味料をつけていない熟成肉を実食する。味の素を大量にまぶしたことで塩辛い味になる心配はあったが、まったくそんなことはないのだそう。柔らかくておいしいが、調味料をつけていないせいか反応が微妙。

 続けて、塩とブラックペッパーで味付けした熟成肉を実食する。さきほどの調味料なしの牛肉と比べて、頬の中で格段に風味が広がっているのだそう。こちらも塩辛くなく、噛むと時々味の素が口の中に広がる。一般的なドライエイジングビーフとは味が違うものの、この熟成肉もたしかな旨味があると喜んでいた。

 動画の結論として「味の素で熟成した肉を、塩とブラックペッパーで味付けして焼くとおいしい」ことがわかった。

 ただし、動画の最後に「家で、味の素を使った熟成肉を試さないほうがいい」と警告している。大量の味の素(おそらく1kg近い量)を使っているため、身体に悪影響を及ぼしかねない。また、素人では熟成の温度管理が難しいので、実践しないことをおすすめする。

 こちらの動画は英語が多く使われているものの、視覚だけでも十分楽しめる動画となっている。特に、牛肉を焼くシーンは思わずよだれが垂れるので、深夜の視聴は控えたほうがよいだろう。

■本コラムで紹介した動画「Insane UMAMI Dry Age Experiment | Guga Foods」
https://www.youtube.com/watch?v=7jmjr1ctP8w

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