フロントカメラはついに“画面の下へ” Xiaomi、Galaxyも採用を始めた「アンダーディスプレイカメラ」とは 

 今も昔も、スマートフォンのディスプレイ上部に位置するフロントカメラ。セルフィー撮影などでますます活躍する機会が増えているが、一方で画面表示の一部を妨げてしまうという欠点も。そんな問題を根本から解決するかもしれないのが、スマートフォンメーカーによる採用がいよいよ始まった「アンダーディスプレイカメラ」だ。

フロントカメラを隠す、試行錯誤

 以前のようにスマートフォンの画面サイズが小さく、また画面を囲う太いベゼルが存在していた頃は、ベゼル部分にフロントカメラを配置できるので問題はなかった。しかしユーザーのニーズにもとづくスマートフォンの大画面化と、技術革新によるベゼルの狭額縁化により、フロントカメラの居場所がなくなってしまったのである。

 現在のスマートフォンの多くは、フロントカメラをディスプレイ上部に配置している。例えば米AppleのiPhoneシリーズのように幅広のノッチを設けたり、あるいは大部分のAndroidスマートフォンのように「パンチホール」を位置させるなど、そのやり方はさまざまだ。

 台湾ASUSの「Zenfoneシリーズ」のように、背面カメラを前方へとフリップさせることでフロントカメラとして使うアイデアもある。しかしスマートフォンの操作や構造が複雑になることから、他機種への採用は進んでいない。その他にもスライド式のフロントカメラなども存在するが、問題はフリップ式のフロントカメラと同様だ。

ついに登場したアンダーディスプレイカメラ

 一方で、フロントカメラを画面下に配置できないか……という研究もメーカー各社によってすすめられていた。それを初めて形にしたのが、中国ZTEが2020年に発表した「ZTE Axon 20 5G」だ。同端末ではディスプレイに透過度の高い特殊な素材を採用し、さらにピクセル(画素)の配置を工夫しつつソフトウェア処理をくわえることで、世界初のアンダーディスプレイカメラを実現した。

 実際にZTE Axon 20 5Gを手にとってみると、残念ながらフロントカメラ部分の表示が若干周囲と異なっており、その存在を視認できる。ただし、セルフィー撮影の画質は通常のスマートフォンのフロントカメラと比べても違和感がなかった点は、評価したい。

 今年8月には中国Xiaomiからも、アンダーディスプレイカメラを搭載した「Xiaomi MIX 4」が発表された。同スマートフォンでも特殊なピクセル配置や回路配置、ソフトウェア処理を採用することで、周囲の画面との差がなく「ほとんど見えない」アンダーディスプレイカメラを実現したという。

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