ボカロシーンは加速し続ける 圧倒的熱量で駆け抜けた『ボカコレライブ -2021 spring- 』レポート

 ここまでのアッパーチューンメドレーの後にドロップされたのは、みきとPとボーカル・ねんねによる椅子に腰をかけながらのアコースティック編成のステージ。キーボード、みきとPが奏でるアコースティックギターの音色が伸びやかなねんねの美声を引き立てた「東京駅」からデュエットで「まとい」を聴かせる。セルフアンコールとして弾き語ったのは、青春ソング「Good School Girl」。ボカロシーンのレジェンドと呼ぶに相応しいほどに落ち着いた佇まいが、空間を優しさで包み込んだ。

 「ヴァンパイア」(DECO*27/2021年)、「KING」(Kanaria/2020年)、「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」(すりぃ/2020年)を中心とした最新のボカロヒット曲を踊り手たちがエッジを効かせて舞い踊ったライブ終盤。その圧倒的熱量から、ボカロの勢いはプラットフォーム、形を変えながらでも確かに加速し続けていることが伝わってくる。

 この日を結ぶエンディングナンバーは、初音ミクをフィーチャーし人気者になったボカロPの姿を初音ミクの視点で見つめる「ODDS&ENDS」(ryo/2012年)。〈いつからか君は人気者だ たくさんの人にもてはやされ あたしも鼻が高い でもいつからか君は変わった 冷たくなって あたしを嫌った〉この曲をラストに迎えたライブが終わりステージに残っていたのは、ボカロがJ-POPシーンへ抵抗感なく馴染むいまだからこそ必要な原点回帰することの大切さ。総勢25組のアーティスト、ユーザーとがそれぞれに精一杯のボカロ愛を伝え合い、熱が溶けることのない最高な形で、この日は締めくくられた。

■小町 碧音
1991年生まれ。歌い手、邦楽ロックを得意とする音楽メインのフリーライター。高校生の頃から気になったアーティストのライブにはよく足を運んでます。『Real Sound』『BASS ON TOP』『UtaTen』などに寄稿。
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※緊急事態宣言をうけ一部出演者をリモート出演に変更

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販売期間
2021年4月6日(火)~5月23日(日)
視聴可能期間
2021年4月25日(日)~5月24日(月)

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