「名刺入れかと思ったら、スマートフォンだった」OPPOとnendoが開発した折りたたみスマホに驚愕
名刺入れかと思ったら、スマートフォンだった。
プロダクトのデザインを見ていない人には、この発言の意味すら理解できないだろう。手に取ってみてもまだ、この箱型の物体がスマートフォンだと気付く人は少ないかもしれない。
折りたたみデバイスが生まれてからしばらく経ち、今では多くのメーカーが独自の折りたたみデバイスを開発、商品化を実現している。そしてそれらの多くが、折りたたんだ状態では普通のサイズのスマートフォンを広げる事で、タブレットのように利便性を拡張するものとなっている。
しかし、今回OPPOが発表した新しいデバイスはそうではない。小さく折りたたむことで名刺入れ程のサイズになるこのデバイスは極限まで携帯性を上げ、新しい操作感を狙う。
OPPOに選ばれたnendoが提案する新たな可能性
今回OPPOと共に開発に携わったのが、デザイナー佐藤オオキ率いるデザインオフィスnendo。
佐藤オオキは2002年のnendo設立以降革新的なデザインを生み出し続け、国内外のデザイン賞を多数受賞するなど、今や世界で最も注目されているデザイナーの一人だ。
日常で誰もが知っている、でも見逃してしまっている小さな発見を形にするというコンセプトから生まれたデザインの数々は、シンプルながらどこか温もりを感じさせる。これまでnendoはプロダクトデザインやグラフィック、ファッションから建築物に至るであらゆるジャンルのデザインを手がけ、その度に話題を提供してきた。
そんなnendoがこの度中国のデバイスメーカーOPPOと共に手掛けたのが、スライドスマートフォン『slide-phone』とモバイルアクセサリーコレクション『music-link』である。
三つ折りできるスライドスマートフォン『slide-phone』
冒頭でも紹介した『slide-phone』は、折りたたむとクレジットカードと同様の54mm×86mmという小型サイズになるのが特徴。それを実現するために、通常の折りたたみスマホには一つしかないヒンジを複数取り入れ、幾通りにも自在に折り曲げる事ができる画期的なデザインとなっている。
例えば、閉じた状態から一段階スライドして折り曲げることで時刻や受信履歴、各種通知が確認できる。セルフィーやビデオ通話などをする際にはもう一段階スライドさせる。大画面での操作をしたい時には全開にすると画面サイズは7インチディスプレイとなり、動画を楽しんだり、マルチタスク機能で利便性を高める事ができる。
コンパクト性だけでなくその卓越したデザインも、さすがnendoと言わざるを得ない。複数のヒンジによって無機質なデザインになることを懸念し、ヒンジ部分にはスエードレザーを使用。色調にもこだわった。無駄なくシンプルながら、細かな部分でnendoらしい仕掛けが見え隠れする、そんなデザインである。
ネックレスかと思ったら、イヤホンだった。
今回『slide-phone』とともに発表されたのが、モバイルアクセサリーコレクション『music-link』である。ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、AIスピーカー、モバイルバッテリーと非接触充電器からなるこれらのコレクションにも、やはり機能性とデザイン性を兼ねそろえた魅力的なプロダクトが揃う。
これらはいずれも、コンセプトの中心は「イヤホン」である。通常、スマホを中心にモバイルアクセサリーが設計されることが多いなかで、今回はイヤホンを中心に「音楽体験をシームレスに繋いでいく」ことをテーマにしている。
これらのコレクションの魅力は、何と言ってもその画期的なデザインである。
通常、完全ワイヤレスイヤホンは左右が独立した形状になっており、持ち運びの際には耳に装着するか、ケースに収納する必要がある。しかしOPPOとnendoの新たな提案では、いちいちケースに収納する必要はないのだ。
まず、半円形という独特の形状のイヤホンを繋げるとドーナツ状のペンダントトップのような形になる。専用のネックストラップに通すだけでネックレスのような形になり、容易に持ち運びできる。また、このネックストラップの両端をイヤホンに装着することでネックバンド型のイヤホンに早変わりする。
「肩にかけるなんて鬱陶しいよ」と思われる方は安心してほしい。コレクションの一つであるスマートウォッチにも装着できるため、ケースなしでも簡単に持ち運びが可能だ。