「コスチューム事件」その後を巡る対立で久しぶりに見れた“番組名物”ーー『テラスハウス』第41話未公開映像
「自分の考えも花ちゃんのためになればいいなって思ってたの」
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、一時配信が中断していたテラスハウスだったが、4エピソードの限定復活配信が決定。その初回となった41th WEEKは、前回40th Weeksの本編で“社長無双”を加速させた俊幸のお家芸とも言えるマウント行為からスタート。営業時間外のため、開店していない焼肉店を特別に開けてもらったと得意げに話す俊幸からは、今回も社長回になる予感がしたものの、それは夢による北海道旅行時に2人が宿泊する知り合いから借り受けた別荘というカウンターを持って見事に粉砕された。そして、それは今回のエピソードの主人公交代を告げる狼煙でもあった。
以前同様、”社長”らしさを全面に押し出すことで、本来であればスタジオの女性メンバーからの悲鳴が起きそうな行動を見せる俊幸であったが、その全てをあたかも蛇のようにヌルヌルと交わしていく夢、その掴み所のなさも際立ったが、それ以上に多くの視聴者が反応したのは、今や夢にとってのお決まりのフレーズである「押しに弱い」を逆に押してくる行為だろう。俊幸の質問に対して、気を持たせる発言や行為をもはやお決まり的に繰り返す一方で、新メンバーの玲生にも「押しに弱い」ことをアピールする夢。スタジオメンバーの山里に命名された「上島」というこの技の説明に関しては、多くの視聴者が納得したことは間違いないはずだ。
また、”ビンゴゲームのリーチからなかなか上がれない”という名言も今回は山里の口から飛び出したほか、グラビアアイドルとしてのセクシーなフォトシュートシーンも収められるなど、41th WEEKの主役の座を見事に務めたと言えるほど、”社長無双”ならぬ”夢無双”なエピソードとなった。しかし、その一方で他の女子メンバーのビビ、花にどことなく卒業を匂わせるムードが漂いだしたのも印象的であった。特にビビに関してはテラハレジェンド・洋さんの意思を継ぐ玲生の入居によって、再び恋愛が動き出しそうな予感も少なからずあっただけに、今後の展開が気になるところだ。
その一方で、未公開映像ではテラハ史に残る修羅場となったあの「コスチューム事件」のその後が、3本の動画を通して未公開映像らしからぬボリュームで描かれたことが衝撃的だった。最初の未公開映像の冒頭では、ビビと夢が「コスチューム事件がもたらした閉塞ムード」を語ったが、それを改善したのが洋さんがいたあの頃の熱さを感じるテラハ復権を目指す玲生の入居だったことは非常に印象深い。
しかしながら、その余波は完全に払拭されておらず、花によるあの時の“怒髪天を衝くかのような怒りと罵倒”は、女子メンバー2人に暗い影を落としており、そのことをなかったことにできないというビビは、いつものように自分の正義感から花と話し合うことを決める。しかし、それが例によって“ちょっとした言い合い”に発展してしまう。
現在の住人のうち、ビビは他の住人と違い、ストレートにものを言う性格だ。それ故に自己主張が強いように思われている節も少なからずあり、実際にその言い方から過去にはトパス、快とも険悪なムードになったことはあった。しかし、そういった彼女による問題の指摘は若干老婆心気味ではあるものの、基本的には他人を思っての行為であり、落ち着いて聞くとなかなか的を得たことを言っていることも事実だ。そういったこともあってか一時、一触即発ムードだった花とビビだったが、最初は自分が被害者という立場から場の空気を悪くしたことを認めなかった花も最終的には折れて、そのことに関しては謝罪を行なっている。今回はそこに夢も上手く絡み、両方を上手く取り持ったことで、女子メンバーのみではあったが、テラハ名物の“家族会議”的な図式が成り立っていたことに注目したい。