Twitterが「フェイク動画・写真」への対策を発表 ラベルや警告表示で注意喚起・削除へ
Twitter社は2月5日、「合成または操作されたメディア」に対する新たな対策を発表した。
同社は「公正かつ皆さんの期待に明確にお応えするルールを策定する責任がある」とし、昨秋より世界中から意見を募ったうえで、Twitterのルールにどう反映するか、このようなコンテンツを検知した際にどのように対応するのかを決定。ユーザーが新たにTwitter上で見ることになる変更点も、同時にアナウンスされた。
調査は「#TwitterPolicyFeedback」のハッシュタグが付けられたツイートを元に行われ、草案については市民団体や学術研究者など、多様でグローバルなグループとの意見交換も実施。全体として、誤解を招く改ざんされたコンテンツの脅威が認識されており、それらに対してTwitterが対策をとることを、ユーザーが求めていることが明らかになったという。
そのひとつは、「世界中のTwitter利用者の70%以上が、改ざんされ誤解を招くコンテンツに対し『何の手段も講じない』ことは容認できない」という回答。回答者のほとんどがこれらのコンテンツを含むツイートに関する追加情報や背景情報をTwitterから提供してほしいという意見で一致した。
また、回答者のほぼ全員が、大幅に改ざんされたコンテンツの横に警告ラベルをつけることを容認し、ほぼ同数が、誤解を招く改ざんされたコンテンツをツイートする前に、警告を表示することは妥当であると回答したものの、これらのコンテンツを非表示にすることについては、警告を表示してほしいという意見に比べてやや消極的だったという。Twitterでは、アメリカ内において、55%の人たちがそのようなコンテンツを「すべて削除することが好ましい」と回答したことを紹介。一方で改ざんされたコンテンツをすべて削除することに反対する人たちからのルール案についての自由回答では、表現の自由や検閲についての意見が多く寄せられたが、90%の人たちは、「なんらかの危害を加える意図があることが明確である場合は、そのようなコンテンツをTwitterが削除することを支持する」と回答している。
そのうえで、75%以上の人が、「誤解を招く改ざんされたコンテンツを共有するアカウントに対する強制措置が執行されるべきである」と答え、Twitterもこれに応える形で、該当ツイートの削除やアカウントの凍結を行うと改めてアナウンスした。
これらの調査及び回答をふまえ、Twitter社は新たなルールを策定し、ツイートやコンテンツにラベル付けまたは削除を行うことに。対象となるツイートやコンテンツが、他者を惑わすような方法で大幅に改ざんまたは捏造されているかどうかを、「構成、流れ、タイミング、枠組みを根本的に変えてしまうほどの大幅な編集が加えられているか」「視覚情報または音声情報(新たな動画フレーム、音声吹き替え、字幕の変更など)が追加または削除されているか」「実在の人物に関するコンテンツが捏造または模造されているか」といった基準で判断。「真実でない話を真実として伝えるなど、コンテンツの共有されている背景情報が混乱や誤解を招いたり、コンテンツの性質や発信源に関して人を欺く意図が認められるかどうか」を確認するという。
コンテンツと共に提供されている情報については、「コンテンツに添えられているツイートのテキスト、またはコンテンツに含まれているテキスト」「コンテンツに付随するメタデータ」「コンテンツを共有する人のプロフィール情報」「コンテンツを共有する人のプロフィールやコンテンツを共有するツイートにリンクされているウェブサイト」を参照し、「個人やグループの身体的安全に対する脅威」や「集団暴力や暴動のリスク」など、公共の安全を脅かし重大な危害をもたらしうると判断した場合は、削除の対象となる。
Twitter上では今後、ツイートに「ラベルを付ける」「リツイートやいいねの前に警告を表示する」「Twitter上でツイートを表示されにくくし、『おすすめ』されないようにする」という情報を追加。可能であれば、背景情報が含まれるウェブサイトへのリンクなど、追加情報を提供するという。