2020年、注目すべきゲームトレンドは「VR」と「サブスク」 決定的なサービスに期待
ゲーム専門の調査会社『Newzoo』は「注目すべき、2020年のゲーム業界のトレンド」と題した調査結果をリリースした(参考:https://newzoo.com/insights/articles/newzoos-games-trends-to-watch-in-2020/)。
マイクロソフトとソニーの新たなコンソール、そしてサブスクリプションサービスやクラウドゲームの増加。2020年はゲームの次の10年を形作り、事業において新たな課題やトレンドも浮き彫りになると予測している。
新興国がゲーム市場の成長に寄与
『Newzoo』は2020年、世界のゲーム市場が1600億米ドル以上の収益を生み、前年比で7.3%増加すると予測。昨年と比べれば、収益の面では成長が遅い年になるようだ。
ただし、マイクロソフトとソニーの次世代コンソールが2020年の終わりに発売され、市場の新たな成長段階を切り開くことは、すでに発表されている情報からも予測可能。Apple ArcadeやGoogle Stadiaなどが参入したクラウドゲームは今後の成長分野だが、技術がまだ初期段階のため、2020年の市場の見通しに大きな影響はないという。
一方、モバイルゲームは2020年に最も急成長しているセグメントで、前年比で11.6%増の成長を遂げるという見立て。過去数年間の成長は中国、米国、日本、韓国、西欧などの成熟した市場が牽引していたが、2020年には中東、北アフリカ、インド、東南アジアなどの新興市場が成長を促進し、各市場のゲーム収益は2桁の成長をみせるようだ。
サブスクの年、ただしクラウドはまだまだ
2020年初頭の現段階では、サブスクリプションサービスがエンターテインメント業界を席巻しており、音楽と映像については、彼らが大きなコンテンツホルダーとして存在感を示している。
Xbox Games Pass、Apple Arcade、PlayStation Now、Uplay +などのサービスは、実際のサブスクリプションゲームの例であり、2020年以降に市場に参入するサービスはさらに増えるだろう。一方、クラウドゲームは、まだその基盤が出来始めたばかりだ。
パブリッシャーの立場の変化
そして、注目しておきたいのはパブリッシャーの立場の変化だ。従来、ゲームパブリッシャーの主な役割はゲームのディストリビューションで、ゲーム開発元と販売業者の間の隙間を埋めることだった。しかし、ゲーム市場が完全なデジタル配信に向かっているため、パブリッシャーの役割は明確ではなくなった。
Steam、PlayStation Store、Microsoft Store、モバイルなどのデジタルストアにより、デベロッパーは、これまでになく簡単にゲームを公開できるようになった。そして、パブリッシャーの役割は、投資家に似たものに進化している。