『テラスハウス』東京編:第21~24話ーー愛華と花の口論は“嫉妬心”が原因?

“恋愛における嫉妬”の複雑さ

 恋敵を前にすると、冷静ではいられなくなるのかもしれない。いくら一緒に住んでいたって、大人の喧嘩なんて早々起きるものではないから、そこには“恋愛における嫉妬”のような複雑な感情が入り混じっていたのではないか。そう思ってしまうほど、愛華と花の口論はまったく脈絡がなく始まり、しかし彼女たちの関係性(お互い、凌の話をすると険しい表情を見せるなど)からすると、衝突するのは時間の問題だった。

 愛華が議題として挙げたのは「流佳のことは友だちとしてしか見ていないから、過剰に持てはやすのはやめてほしい」といった花への要望。花は何度か「わかった」と言い、これから気をつける旨の意思を表明するものの、なぜだか解決せずに話はあらぬ方向に。「そう思われても(いちゃついてるように見られても)仕方ない」「いや違うから」という済んだことをああでもないこうでもないと押し問答してしまったことで、終わりのない口論に発展してしまった。なんだか関係がおかしくなったまま進んでいると思っている花の一方で、愛華はもう一度話し合うほどのことではないと凌に伝える。「次、『ん?』って思うことがあったら言っちゃうかも」と24th WEEKで花が漏らしたように、このイザコザはまだはじまったばかりなのかもしれない。

 それもこれも、凌が魅力的すぎることに端を発しているように思う。花がプロレスの大会で優勝すれば、体の疲れを癒すために温泉へ行くことを提案し、最大限に楽しませる。相手の好意に気づいているからか、「優勝したら明日デートしてください」というドラマみたいなお願いにも、「いいよ」と真摯に答えてみせた。普通ならば「優勝しなくても行こうよ」と気軽に言ってしまいそうなところを、相手の気持ちを鑑みて最初から、友人ではなく女性として花を見ようとしているところが、彼の誠実さの現れではないだろうか。「凌さん、ザギンでシースーは?」という愛華の品のない誘いにも嫌な顔ひとつせず応えたり、台所の汚さにイラついても出がけの花には決して愚痴ろうとしなかったり、とにかくよくできた男・田渡凌。彼はこのテラスハウスで、果たして恋をすることがあるのだろうか。

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