Pixel 4/4L、海外メディアの反応は? カメラ性能はiPhone 11 Proと互角も……
日本時間10月16日未明、Googleは同社フラッグシップスマホ「Pixel 4/4L」を発表した。近年では製品メーカーとしても注目される同社の最新スマホは、多数の革新的な機能を実装している。しかし、ユーザーがもっとも知りたいのは「iPhone 11 Proと比較したカメラ性能」だろう。海外メディアは、そんなユーザーの疑問に答えている。
カメラだけではない魅力
Pixel 4/4Lの仕様を解説しているUS版Google公式ブログ記事によると、同スマホの魅力はやはりカメラである。リアカメラには望遠レンズを含む2台のカメラを実装し、鮮明な遠景画像撮影を実現した。暗い状況下でも撮影できるNight Sightはさらに磨きがかかり、夜に光が一切ない状況下では天体観測画像のような夜空の画像を撮影できる(下の画像参照)。
同スマホの革新的な機能は、何といってもモーションセンスである。この機能は、ユーザーのジェスチャーに反応してスマホの各種機能を実行するというものである。具体的には、スマホの前で手を振ると顔によるロック解除を開始したり、画面をオフにしたりできる。さらにはアラームのスヌーズ、タイマーの停止、電話の着信音を消すことも可能だ(下の動画参照)。もっとも、リリース当初は日本では同機能を利用できないようだ。日本での利用開始時期は後日発表されるだろう。
プリセットされた音声記録アプリ「Recorder」も地味ながら優れている。同アプリを使って音声を録音すると文字を書き起こすことができ、音声と同時に録音された音楽や拍手を識別するのだ。録音した音声から特定の単語を検索することも可能である。こうした機能は英語のみに対応しているが、順次多言語対応を進める予定だ。
リリース日は全世界共通で10月24日であり、画面サイズ5.7インチのPixel 4の価格が799ドル(約87,000円)、6.3インチのPixel 4Lが899ドル(約98,000円)である。
競争の舞台は計算写真技術へ
Pixel 4/4Lの発表に伴い、デジタル版New York Times誌は近年のスマホカメラ性能の動向を考察した記事を公開した。その記事によれば、スマホ黎明期から普及期において各メーカーはカメラの画素数を競っていた。画素数を競うことを通して、画像の鮮明さをアピールしていたのだ。しかし、最近ではポートレートモードやナイトモードといった計算写真技術(computational photography)を競うようになった。こうした新たな競争は今後も続き、動画撮影にも応用されると予想されている。
カリフォルニア大学バークレー校のコンピュータサイエンス学科のRen Ng教授は、動画に計算写真技術を応用することを研究している。具体的には、話している二人のヒトを動画撮影中にポートレートモードを自動適用する技術を試みている。AIが二人のうちのどちらが話しているかを識別したうえで、話しているヒトをポートレートモードで動画撮影しようとしているのだ。こうした技術が実現すれば、計算写真技術をめぐる競争はさらに激化するだろう。
テック系メディア『The Verge』は15日、計算写真技術をめぐるPixel 4とiPhone 11 Proの比較記事を公開した。比較対象にiPhone 11 Proを選んだのは、同メディアがこのスマホを史上最高のカメラ性能を持っていると評価したばかりだからだ。比較は様々な状況で撮影した画像を使って行われた。そうした画像が以下である。
以上の屋台を撮影した画像は、左がPixel 4で右がiPhone 11 Proである。Pixel 4の方が天窓の部分が鮮明である。反対にiPhone 11 Proは全体に明るいものも白んでいるとも言える。光の表現は、Pixel 4の方が適切なのかも知れない。
毛糸のクッションを撮影した上記画像では、左のPixel 4の画像より右のiPhone 11 Proの画像のほうが毛先を細かく表現している。
以上より撮影シーンによって若干の優劣が生じるものも、Pixel 4とiPhone 11 Proの計算写真技術はほぼ互角と言えるだろう。