Every Little Thingいっくん、なぜYouTubeデビュー?「まさか自分が動画を配信するなんて」

 人気ユニット・Every Little Thingの伊藤一朗が、6月6日にYouTubeチャンネル「いっくんTV」を立ち上げ、突如YouTubeデビューを果たした。1996年にEvery Little Thingのギタリストとしてデビューし、近年ではバラエティ番組への進出も多く見られる伊藤はなぜ、このタイミングで新たな一歩を踏み出したのだろうか?

 リアルサウンド テックは本人を直撃し、チャンネル開設のきっかけや、日々の企画の源泉、YouTubeデビューして初めて気づいたことなどについて、じっくりと話を聞いた。

「こんなに殺伐としないでやれるもんなんだ」

ーーあらためて、YouTubeチャンネル「いっくんTV」を開設した経緯から聞かせてください。

伊藤一朗(以下、伊藤):僕自身、ストリーミングで動画を観ることがものすごく増えていて。ギアの進化とともにエンターテイメントの世界の表現形式が変わっていくなかで、やっぱりYouTubeというものがものすごく大きなものになっていると思っていました。でも、自分ではまさか、チャンネルを立ち上げて動画を配信するとは考えていなかったんですよ。ただ、観て楽しんでいる側だったので。なので、スタッフさんから「YouTubeをやってみましょうよ」と言われて、「えっ、オレが!?」って思ったんですよね(笑)。

 僕はいま51歳で、YouTubeはもっと若い方が観ているんじゃないかな、と勝手に想像していたんですけど、そんなことはなくて、幅広い年齢の方が観ていて。それで、もしYouTubeチャンネルを立ち上げて、家で番組がやれるんだったら、足を捻挫しても仕事ができるんだ、スゴイな! と思って、やってみることにしました(笑)。

ーーYouTubeらしいチャレンジ企画もあれば、貴重なギター演奏、お悩み相談まで、まさに幅広い層の視聴者が楽しめるチャンネルになっています。企画はどんなふうに検討しているのでしょう?

伊藤:スタッフさんに丸投げですね(笑)。でも、たまに「仮面ライダーのベルトを持ってくるので、修理しているところを撮ってください!」なんて言ってみたり、やりたいことも出てきました。

ーー今日、収録現場も見学させていただきましたが、和やかでとてもいいチームですね(笑)。チャンネル開設から約3ヶ月、ここまでの感触はいかがですか。

伊藤:実際にYouTubeを始めて、他のチャンネルでたくさん動画を更新されている方を見ると、「これは生半可じゃできないな」と思いますね。僕も、例えば買い物に行くと、「この商品、こうすればネタに使えるんじゃないかな」なんて考えちゃうようになって、その気持ちを抑えるのに必死です(笑)。あとは、普段だったらゴミとして捨ててしまうようなものも、「撮影で使えるかもしれないからとっておこう」と思って捨てられなくなったり。

ーー「日常の小さなことも、楽しいものに捉え直して発信する」というのは、Every Little Thingというユニット名にもつながることですね。音楽活動との共通点、あるいは違う部分という面ではどうですか?

伊藤:動画を配信して、それをみなさんが受け取って、すぐにフィードバック、リアクションがもらえるというのは、YouTubeならではの楽しいところですね。音楽もライブだったら、いい演奏をすればいいリアクションがそのまま返ってくる、ということがあって、それも楽しみなのですが、動画へのコメントはとてもうれしいです。

ーー動画コメントを見ると、とても穏やかな空気感で、「いっくん」に癒やされている人が多いと思います。ここまでの視聴者の反響については、どう見ていますか。

伊藤:こんなに殺伐としないでやれるもんなんだな、と思っています。学生時代の友だちがコメントしてくれて、「あいつ、元気なんだ!」ってうれしくなったり(笑)。あとは、ミュージシャンとしての僕を知らない人が、たまたま関連動画に出てきたものを見てくださって、「ミュージシャンの方だったんですね」なんて言ってくれるのが新鮮だったりします。

ーーファンがそうして気軽にコミュニケーションが取れるのも、アーティスト活動とはまた部分ですね。最近、アーティストやタレントのYouTubeチャンネル開設が増えていて、よろこんでいるファンも多いと思います。

伊藤:そうですね。特に僕は、もともとSNSも一切やっていなかったので、ミュージシャンとしての活動以外、プライベートについては何もわからなかったと思うんです。例えば、アルバムのリリースが数年空いたとすると、その間の情報がまったくない(笑)。それで寂しいなと思ってくれていた人はよろこんでいただけると思うし、「ああ、ELTか! いまこんなことをやってるんだ!」というふうに楽しんでくれる人もいるんじゃないかなって。どちらの人にも楽しんでもらうにはどうしたらいいか、と考えていますね。

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