新型iPhone、性能に一抹の不安? リークされたベンチマークを読み解く
アメリカ現地時間9月10日に発表と予想されている新型iPhoneに関するリーク情報が、またひとつ増えた。もっとも、その情報が真実だとすると、新型iPhoneの性能に一抹の不安を感じてしまう。
大幅なチップ性能向上は認められず?
テック系メディア『Tom’s guide』は3日、iPhone XR後継機のベンチマークスコアに関するリーク情報を報じた。iPhone 11という名称になると予想されているiPhone XR後継機のGeekbenchベンチマークスコアはシングルコアスコアが5415、マルチコアスコアは11294であることを示す画像がリークしたのだ(トップ画像参照)。
Geekbench とは、スマホのチップ性能を比較する際に参照されるベンチマーク(性能測定値)である。具体的にはJPEG画像やHTMLの読み込み時間を測定した後、各種測定値を総合してスコアを算出している。算出されたスコアのうち「シングルコア」とは、ひとつのチップが演算している時の測定値である。
対して「マルチコア」とは、複数のチップが演算している時の数値である。iPhone XRのGeekbenchベンチマークスコアはシングルコアが4821、マルチコアが11327なので、シングルコアではiPhone 11のリーク値のほうが大きいが、マルチコアではむしろ小さくなっている。もっとも、スングルコアスコアをより重視すべきと言われているので、iPhone 11がiPhone XRよりチップ性能が劣化したとは一概には言えない。だがしかし、チップ性能が大幅に向上したわけではない、とは言えるだろう。
チップ性能以外の仕様に関しては、Tom’s guideのほかの記事が報じている。その記事では、新型iPhoneシリーズの各種仕様が記された画像を掲載したツイートを引用している(下のツイート参照)。そのツイートによれば、新型iPhoneシリーズでは実装メモリ数が増量し、iPhone 11が4GB、iPhone 11 Pro/Pro Maxが6GBとなる。
Apple Arcadeは月額約5ドル
9月10日のイベントでは、Apple ArcadeとApple TV+のサービス開始日も発表されると予想されている。Apple Arcadeに関しては、Apple製品専門ニュースメディア『9to5Mac』が先月19日に月額料金について報じた。同メディアはAppleが社員向けに用意したApple Arcadeの早期アクセスプログラムへのアクセスに成功し、月額料金が4.99ドル(約530円)で1ヶ月の無料利用期間があることをつきとめた。4.99ドルという月額料金は、Googleが提供するゲームストリーミングサービスであるStadiaの9.99ドル(約1,060円)より安い。
Apple TV+に関しては、テック系メディア『The Verge』が3日に制作中のドラマのひとつがキャンセルになったことを報じた。制作キャンセルになったのは『Bastards』というタイトルのドラマで、主演を務めるリチャード・ギアが老境に達したベトナム帰還兵を演じていた。キャンセルされた理由は、同ドラマの制作者が「ストーリーのより暗い側面に焦点を合わすこと」に対して、Appleが同意しなかったからと言われている。
以上のドラマ制作キャンセルの一件から、Apple TV+は大人向けコンテンツより家族向けコンテンツが主流になることが推測される。家族向けコンテンツが主流になる点において、同サービスは11月からサービス開始となるDisney+と競合するのかも知れない。