Facebook、独自AIアシスタントを開発中と判明 Oculus製品にも実装か?

 SNS最大手のFacebookは、Amazon EchoやGoogle Homeと直接競合する可能性のあるソフトウェアを開発中であることを認めた。しかもこの開発中のソフトウェアは、将来的にはFacebook製のハードウェアの中核を担う存在になるらしい。

率いるのはAR/VR部門リーダー

 アメリカ大手メディアCNBCは18日、Facebookが独自のAIアシスタントを開発中であると報じた。この報道の情報源となった同社をすでに退職している元社員によると、同社はVRヘッドセットブランドであるOculus製品を研究開発しているAR/VR開発部門のなかで、2018年初頭よりAIアシスタント開発が進められていたという。この開発部門を率いているIra Snyder氏のLinkedInに記載された肩書を見ると、元社員の話を裏付けるように「ARとVRおよびAIアシスタントのディレクター」とある。

 テック系メディア『The Verge』は、AIアシスタントに関して同社広報担当者に問い合わせたところ、「(詳細は後述する)PortalとOculus、そして弊社の将来の製品を含むAR/VRの同族製品に実装できるようなAIアシスタント技術の開発に取り組んでいる」との回答を得た。この回答からわかるのは、Facebook製AIアシスタントはスマートスピーカーに実装されるだけではなくOculus RiftのようなVR製品の操作にも応用されるだろう、ということである。

 ちなみにFacebookは2015年、同社のチャットアプリ「Messenger」向けにAIアシスタント「M」をリリースしていた。同AIはヒトのスタッフがAIの返答を精査するという体制が採用されていたのだが、2018年1月には提供が終了していた。

Facebook製ハードウェアの展開

 世界最大規模の会員数をほこるSNSを運営しているFacebookは近年、ハードウェア開発にも積極的に取り組んでいる。もっとも知られた同社製ハードウェアは、VRヘッドセットのOculus Riftだろう。同ヘッドセットは、スマホを使わないVR専用デバイスとしてHTCのViveとともにVR市場をけん引してきた。今年の春には、最新VRヘッドセット「Oculus Quest」がリリースされる予定だ。この新製品はPCもセンサーも不要なオールインワン型となっていることから、VRヘッドセットの更なる普及に寄与することが期待されている。

 また、昨年11月にはアメリカ市場向けにビデオ通話専用端末「Portal」(トップ画像参照)をリリースしている。同端末は、ディスプレイにAIアシスタントを実装したスマートディスプレイのような形状をしている。主要な機能がビデオ通話であるため、ユーザの動きを自動追尾するカメラを搭載している。このカメラのほかにAmazonの音声認識AI「Alexa」も実装しているので、同端末に話しかけてSportifyを起動するといったこともできる。もっとも、同端末はリリースから半年足らずで早くも半額セールを実施することとなった。

 AppleやGoogleが開発していると噂のあるARメガネに関しても、Facebookは開発に取り組んでいる。昨年10月にロサンゼルスで開催されたAR/VRイベントにおいて、参加者がARメガネの開発について同社AR部門の幹部であるFicus Kirkpatrick氏に尋ねたところ、同氏はあっさりと認めたのだった。

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