2018年、サブスクからヒット生まれた? DA PUMP、あいみょんらの動向から考える

菅田将暉『さよならエレジー』

 そういった意味で、現状は“〇〇×ストリーミング”でヒットが生まれる、というのが日本におけるストリーミングを絡めたヒットの好例といえるだろう。ドラマ主題歌から歌番組出演やCDの売上上昇につながり、ヒットが生まれるという日本の音楽シーンにおけるある種の“定石”のようなものだが、そこにストリーミングが絡んだ例としてLINE MUSIC「年間ランキング」1位、Spotifyの「日本国内で最も♡された楽曲」3位に輝いた菅田将暉「さよならエレジー」が挙げられる(参考:https://music.line.me/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_n1p3rE-GrlO9ZgxKcAg)。

 ほかにも、直近だったので年間チャートには入っていないが、「今夜このまま」(ドラマ『獣になれない私たち』主題歌)が初回のオリコン週間ストリーミングランキングで1位を獲得したあいみょんの快進撃は、サブスク発タイアップ経由のブレイクアーティストとして、2019年以降のロールモデルになる可能性を秘めている(参考:https://www.oricon.co.jp/confidence/special/52282/)。

 CDチャートの指標が絶対的なものと言えなくなった現在において、先述したDAOKO×米津玄師の「打上花火」も含め、ストリーミングはある種若手のブレイクを測る指標になっているし、そこからより広いシーンへと羽ばたいていくジャンプボードとしての機能を徐々に果たすようになってきた、と言えるのではないか。

 ここまでは触れてこなかったが、 MVが2.4億再生を突破、ダウンロードは200万超えを記録して各DLランキングの1位に入りながら、ストリーミングには配信されていない米津玄師「Lemon」のように、まだまだ解禁されていないブレイクアーティストも存在するのが現状だ(参考:http://recochoku.jp/special/100705/)。来年以降、海外のようにストリーミングサービスがメインの戦場になっていくには、彼らのような脂の乗ったアーティストの解禁も鍵になってくるだろう。そういった価値観をもとにもう一度各社のランキングや年末の音楽番組を見てみると、それぞれの視点から新たな発見があるかもしれない。

(文=向原康太)

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