ゲームのストーリー設定は少々突飛ですが、現実のTWICEに詳しくなくても楽しめるものになっており、逆にコアなファンではなくても、キャラクターに入りやすいのではないでしょうか。曲やパフォーマンスは好きだけどメンバーのことはあまり知らない、というライトなファンにも優しい仕様になっています。

　例えば、おとなしいキャラのミナはゲーム好きで普段は部屋にひきこもっているとか、お姉さんキャラだけどどこか抜けている雰囲気もあるナヨン、ダンスとお菓子が好きなモモ、フレンドリーな4次元キャラのサナ、掃除とメロンパンが好きなジョンヨン、芸術家肌でマイペースなチェヨンなど、メンバーのキャラクターがフィクション的にわかりやすく整理、デフォルメされていて“なるほどこの子はこういうキャラクターなんだ”と理解しやすかったです。末っ子のツゥイが敬語キャラで時折ズバッと突っ込んだり、ジヒョがしょっちゅう「声が大きい！」と言われたり、ダヒョンが「また寝てる〜」と言われたりする場面では、“あっこれリアルでも聞いたことがある（気がする）話だ！”とニヤけてしまうことも。メンバーのことをよく知っているファンの方ならより楽しめるリアルエピソードを更に見つけられるんだろうなと思うと、もっとメンバーのことを知りたくなってしまうかも。

　また、ストーリーが恋愛要素のあるゲームという訳ではないのも、幅広い人に楽しみやすい仕掛けなのではないでしょうか。詳しく書くとネタバレになるので避けますが、セレブ大学生という表の顔を持つTWICE9人は、実は（略）の末裔で人々の笑顔を守るために日夜、陰で戦っているという設定。日曜日の朝にTV放送されていそうな普遍的な戦う女子のストーリーで、その中に混ぜてもらって仲間の気分が味わえたり、メンバー同士の交流を眺められたりするのが楽しい。ゲームがしたいというモチベーションにも繋がります。それぞれのパワーは今のところ（主人公含め）10人揃って1人分くらいのささやかなもので、全員で戦ってこそ人数分以上のパワーが発揮されるというところも、TWICEらしい設定だと感じました。

　変身後の衣装はチアになっており、応援して助け合うという能力を表しています。加えてパズルゲームの最中も、画面に現れたメンバーがボイスで応援してくれるのも魅力的です。ボイスはストーリーでも聞くことができますが、演技力にばらつきがあるのもほのぼのします。

　また、個人的に楽しみなのが、ゲーム内の特殊条件を満たすと解放されるエクストラストーリー。メインストーリーは主人公とTWICEを軸に進んでいきますが、エクストラストーリーでは共同生活をしているTWICEメンバーの日常エピソードを見ることができます。

　一方、気になったポイントを挙げるとすれば、獲得アイテムが全てプレゼントボックスに入る点です。開くのを忘れていると、獲得したと思ったTCなどが加算されておらず、パズルゲームの最中にコンティニューしようと思ったらTCが足りなかったりするということも......（そういう場合は課金でなんとか出来るんですが）。その他、メンバーのスマイルレベルを上げると明らかになるストーリーでは、それぞれリンクしていたりするので、「同じ日のストーリーは同時に読みたい→全員同じくらいの速度でレベル上げしたくなる→9人いるのでちょっと時間がかかる」ということくらいでした。

　老若男女のガチオタゆるオタから“ファンというほどではないけどTWICE結構好き”という人まで、幅広く楽しめるゲームではないかと思います。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ：「サンダーエイジ」
Twitter：@djutakata