かわいくなりたいおじさんたちが急増中 なぜ“バ美肉おじさん”は女の子への夢を見る?
“バ美肉おじさん”なる言葉が今、VTuber(バーチャルYouTuber)界隈で話題となっている。おもに「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」のように、中の人は男性だが外見は美少女のVTuberへの呼び名として使われることが多い。ここでは“バ美肉おじさん”の語源を解説しつつ、かわいさを求め切磋琢磨するおじさんたちを掘り下げていく。
“バ美肉おじさん”とは?
「バーチャル美少女セルフ受肉おじさん女子会ワンナイト人狼」と題し、おじさんたちが美少女のアバターを持ち寄りコラボしたのをきっかけに使われ始めた“バ美肉おじさん”という単語。これは“バーチャル美少女受肉おじさん”の略称で、自らモデリングしたり絵を描いたりした、かわいい女の子に扮し、仮想空間上で活動をするおじさんのことを指す。
VTuberのなかでは、「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」が美少女化したひとりとして有名だが、後続の人物がなかなか現れなかった。目線を入れている某人気ブロガーが女子高生となり活動しているARu子のように、ちらほらと美少女化の兆しを見せてはいたが流行せずにいた。
そんなとき、漫画家・リムコロ氏と、イラストレーター・巻羊氏がバーチャル化に乗り出したのが2018年5月末のことだった。「FaceRig」「Live2D」を用いて、手がけたイラストを動かし、現在はライブ配信をメインに「りむとまき」としてふたり一組で活動している。放送内で上記ツールを使いイラストを動かす方法を紹介し、絵を描けさえすれば容易であることからイラストレーター界隈に瞬く間に広まった。そして、今の盛り上がりを見せるまでに成長を遂げた。
進む美少女化 止まらないおじさんたち
最近は、「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」「りむとまき」のように、“見た目が美少女で声は男性”ではなく、“見た目が美少女で声も女性”なおじさんが増えている傾向にある。おもにフリーのボイスチェンジャーソフト「恋声」などを使い、女の子の声を発しているのだが、どうすればかわいくなるのか日々研究している徹底ぶりだ。
なぜここまで女の子になることへ追求するのだろうか? その大きな理由のひとつとして、ゲームで使用するアバターをかわいくしてあげたい願望と似ているからだと考えられる。直近でキャラクリエイトできる有名タイトルとして『モンスターハンターワールド』を例に挙げるが、性別を男女どちらか選び、自分好みなキャラクターを作成していく。そこで問題となるのが男女どちらでゲームを進めていくかだ。自己投影させるために男を選ぶ人も多いが、かわいい子を使いたいがために女を選ぶ層も一定以上存在する。『モンスターハンターワールド』では、クリエイト画面で作り上げたキャラクターと、プレイング時では顔の印象が異なったため、作り直しを試みるほどに理想を追い求めて熱中するファンもいた。このように、ゲームのキャラクター制作へ没頭するのと同じように、どうすればかわいい声を出せるのか打ち込んでいるのだろう。