世界初の“完全ワイヤレス”ギターアンプ KATANA-AIRが登場! 新規性と注意点を考察
「KATANA-AIR」以降も、スマートデバイスを仲介したギターシステムの開発が進んでいくだろう。ただ、注意すべき点もある。それは、ノイズとレイテンシー(遅延)だ。使用している周波数がB帯であれば、多くのアーティストが利用しているため、ステージ上で混信する可能性がある。2.4GHz帯では、Wi-FiやBluetoothと同じ周波数を使用するので、干渉を起こす可能性が考えられる。楽器の演奏には低ノイズの環境が絶対条件だ。また、シールドであっても、レイテンシーは起こっているのだが、ワイヤレスシステムがデジタル機器を通している以上、音の伝達時間はできるだけ短くしなくてはならない。この2点は、今後のワイヤレスシステムが発展していく上で、避けて通れない問題だろう。
「KATANA-AIR」がユーザーに好評であれば、ギターだけでなく、ベースアンプが登場するかもしれない。さらには、持ち運びしやすいヘッドアンプバージョンの「KATANA-AIR」も期待できるはずだ。他社がどのような競合品を発表するかどうかも含めて、ワイヤレスシステム関連の情報は要チェックである。
■吉川敦
フリーライター。音楽と言葉が大好物。憧れの人物はアインシュタインとエルキュール・ポアロとアンディ・ウォーホル。