実験的シンセからモンスターマシンまで…『Musikmesse 2018』で披露された注目の楽器
4月11日〜14日、ドイツのフランクフルトにて欧州最大規模の楽器見本市『Musikmesse 2018』が開催された。毎年1月にはアメリカで世界最大の楽器見本市『NAMM Show』が開催されるが、その数カ月後に開催される『Musikmesse』では『NAMM』で発表されたものの詳細や、よりマニアックな製品がお披露目されることが多い。
すべての製品をおさらいするのは困難なため、ここでは筆者が気になったモノをいくつか紹介したいと思う。イベント全体の様子や他の製品が気になった人は、『Musikmesse 2018』などで検索してもらいたい。
Valkyrie
まずは、イギリスの新興メーカー・Exodus Digital社のテーブルトップシンセ「Valkyrie(ヴァルキリー)」。32倍オーバーサンプリング、8マルチティンバー、96kHz/32bit浮動小数点処理、最大128音ポリに各ボイス10オシレーターまで使えるという、まさにモンスターシンセの名に相応しいスペックだ。
オシレーターはハードシンク、リングモジュレーション、FMなどの設定が可能。フィルターはラダーフィルターモデリングで、ローパス、バンドパス、ハイパスを2pole/4poleで切り替えできる。8系統のステレオ、ヘッドフォン、MIDIイン・アウト・スルー、USB2.0端子を搭載し、24bit/96kHzもしくは24bit/48kHzでの出力が可能。
発売時期は未定だが、価格は2000ユーロ前後を予定しているとのこと。時代が時代なら4000ユーロは下らなかったであろうスペックだけに、リリースが待ち遠しい一台だ。気になる人はサウンドデモも要チェック。
Quantum
シンセ好きにはおなじみのドイツの電子楽器メーカー・Waldorfが、昨年の『Musikmesse 2017』でお披露目したフラッグシップシンセ「Quantum」の発売時期を発表した。
著名なシンセデザイナーとして知られるアクセル・ハートマン氏デザインの「Quantum」は、3つのデジタルオシレーター(DCO)と2つのアナログフィルターを搭載したハイブリッドシンセ。ひときわ目をひく大型の液晶パネルにSF感あふれるツマミは、ハードシンセ好きにはたまらないルックスだろう。このツマミやボディはアルミ製となっている。
長らく噂が続いた次世代マシンだけに、待ち望んでいた人も多いはず。発売時期は2018年6月ごろ、価格はSweetwaterでは4299ドルとなっている。
Touch Me
ロシアのガレージメーカー・Playtronicaは、静電センサーを使ったタッチインターフェイス「Touch Me」を展示していた。その紹介映像が非常に興味深かったため、ぜひ見て欲しい。
「Touch Me」は、二人で使うことを前提としたコントローラーなのが特徴だ。タッチインターフェイスはコントローラーに触れる面積が変わると音程が変化するものが多いが、それを人間同士の接触に置き換えている。スケールを本体側で設定しておけば、適当に触れ合っても音楽的に整った音が出てくるため、パフォーマンス的にも面白そうだ。
近日発売予定で、オーダーフォームにて予約を受け付けている。