「バーチャルキャスト」で誰でもVTuberに! ドワンゴが注力するVRサービスが加速中

 ドワンゴが4月13日、インフィニットループと共同開発したVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」をリリース。また16日より、東京・品川にモーション収録と生放送が可能な大型スタジオを新設し、池袋・ニコニコ本社「ニコぶくろスタジオ」では、有機ELモニターを採用したバーチャルキャラクター出演対応のスタジオ新設備を稼働させるなど、VRをめぐって大きな動きを見せている。


 「バーチャルキャスト」とは、VRを通じてユーザーが手軽にバーチャルキャラクターになり、そのまま生放送配信ができるサービスだ。バーチャルYouTuberが登場し、存在感・注目度を増していくなかで、この発表はネットユーザーに歓迎されている。同サービス利用時にユーザーが扮するキャラクターには、ドワンゴが開発した3Dフォーマット「VRM」が採用されているが、オープンソースで公開されており、ニコニコ生放送のほか、YouTube Live、ツイキャス、Twitch、OPENREC.tvという対応プラットフォームで共通して利用することができる。

 手順を説明すると、まずはVRヘッドマウントディスプレイ(HTC VIVE)を装着し、VR空間のスタジオに入る。利用時はデフォルトでキャラクターが用意されているが、3Dモデルをアップロードして、オリジナルキャラクターになることが可能だ。首の動きは自動的にトラッキングされ、手にコントローラーを持つことで、キャラクターをそのまま動かすことができる。


 さらに大きく動きをつけた企画がしたければ、冒頭に紹介した品川の大型スタジオがある。モーション収録と生放送が可能で、キャプチャ可能エリアは12m×8m×3mの広さ。同時10名(10キャラクター)規模まで、モーション収録が可能だという。


 また、池袋・ニコニコ本社スタジオでは、有機ELモニターにバーチャルキャラクターを表示させ、ユーザーの放送に自然な形で出演することもできる。


 ニコニコ動画やYouTubeで、インターネット時代以前では埋もれていたであろう多くの才能が発見されるようになった今。顔出しも必要なく、また特別なスキルがなくても手軽に“Vtuber”として活動できるこのサービスで、ユーザーベースのライブ配信はさらに活性化するかもしれない。

(文=橋川良寛)

◾️VRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」 
https://virtualcast.jp
・対応配信先プラットフォーム : ニコニコ生放送、YouTube Live、ツイキャス、Twitch、OPENREC.tv
・補足事項 : バーチャルキャラクターになるにはVRヘッドマウントディスプレイのHTC VIVEが必要。
本サービスの物理同期やボイスチャットのリアルタイム通信を実現する為にモノビット社製『Monobit Unity Networking2.0』、『VR Voice Chat』を採用している。

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