『アメトーーク!』家電芸人回でも話題のウェアラブルスピーカー  “音楽を身にまとう”メリットとは

 ネックバンドイヤホン、ワイヤレスイヤホン、そして左右独立イヤホン(TWS)など、ここ数年のイヤホンの進化は目覚ましいものがある。もはや「ワイヤレスなのに高音質」ではなく、高音質は当たり前としてそこ以外の部分でどう差別化していくかというステージにきている、と感じる。

 こうした視聴スタイルが変化する中、近ごろウェアラブルスピーカーが盛り上がりつつある。ウェアラブル、つまり身に付けるスピーカーだ。といってもジャケットや帽子から音が出るというキワモノではなく(そういうものもあるが)、ここでは肩掛け式や、首掛け式のスピーカーを想像してもらいたい。

ソニーの“ウェアラブルネックスピーカー”「SRS-WS1」体験デモ

 これは、ソニーから発売されているウェアラブルネックスピーカー「SRS-WS1」。テレビの音声をトランスミッターを通して肩掛けスピーカーから鳴らすことで、耳元で臨場感のあるサウンドがワイヤレスに楽しめるというものだ。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「家電芸人」回(3月4日放送)で紹介されたことで大注目され、品薄が相次いだほど。

 ただ耳元から音がするだけでなく、音量や音域に応じてスピーカー自体が振動することによる肉体的な臨場感もこの製品の特徴だ。筆者も使用したことがあるが、低音が豊かな映画、あるいはゲームなどとは抜群に相性が良い。特に視界をふさぐVRコンテンツとの組み合わせが秀逸で、PSVRソフト『バイオハザード7 レジデント イービル』と組み合わせた時は、もはやアトラクションのように感じた。

 だがデメリットもある。充電するには本体を充電器に平行にセットしなければならないため、かなりの面積を占有してしまう。せめてケーブル接続や縦置きが可能になってくれれば、テレビボードの邪魔にもならなかっただろう。得難い体験ではあるが、日常で使うストレスに見合うかどうかと言われれば難しい。

Bose SoundWear Companion Speaker - They Made My Top 5 Best!

 これに対し、2018年3月に日本に上陸した「Bose SoundWear Companion speaker」は、非常に使いやすくまとまっている。これはBluetooth接続であるためトランスミッターなども必要なく、通話や音声アシスタントにも対応している。また、筐体サイズ的にもそれなりの音量を出せば「SRS-WS1」同様に振動を感じられる。使いやすさの面ではこちらが上だろう。さらに、オンキヨーは「首にかけるスマートスピーカー」として、新しいプロダクトを開発している。

 首掛けスピーカー、ネックスピーカーというジャンルは過去より存在するが、ウェアラブルという表現になったのは最近のことだ。LGの「TONE Studio HBS-W120」、INEの「NECK SPEAKER SPB01」、ツインバード工業の「ワイヤレス耳元スピーカー」などもすでに存在していた。こうしたアイテムはテレビの音が遠くなってしまった年配のユーザーが使うという側面もあったが、同じスタイルでもアプローチが変われば何かと違ってくるものだ。

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