『スプラトゥーン2』はなぜ流行し、数百時間も楽しめるゲームになっているのか

 『スプラトゥーン2』というゲームがとても面白く、既に数百時間は遊んでいる。前作となる『スプラトゥーン』に至っては2000時間以上も遊んでいたので、今作はまだまだ楽しむことができるだろう。

 「どうしてそんなに同じゲームを遊ぶの?」だとか「もしかして暇なの?」などと思っただろうか。それらの答えは先ほど書いたように『スプラトゥーン2』が楽しいからだ。このゲーム、日本ではけっこうなブームになっているのだが、実をいうとなかなか稀有な魅力を持つタイトルなのである。

 そもそも『スプラトゥーン2』がどんなゲームかというと、ヒト型になれるイカたちが水鉄砲のようなブキを持って戦う対戦アクションゲームである。ブキからはインクが飛び出るため(イカなので)、それで陣地を塗ったり相手を撃って倒すのだ。

 そして、イカのくせに彼らはオシャレが好きである。バトルで強いのもイカしているが、なんといってもファッションもイカしたいという欲張りでもあるのだ。そんな彼らとなりあらゆる場所にインクを塗っていくのはそれだけでも楽しく、筆型のブキを振り回したり、あるいはペイントローラーでじっくり塗ったり……。合法的に街を汚せるだけでも楽しみがあるのだ。

 ただ、『スプラトゥーン2』のすごさはそれだけではない。そもそも「相手と撃ち合う」というジャンルのゲームは、海外ではシューターと呼ばれるジャンルなのである。特に北米などでは銃を撃つゲームが大きな人気を獲得しており、イカつい男や力強い女性が武器を振り回すゲームが市民権を得ているといっていいほどなのだ。

 一方、日本国内ではそういうゲームはそこまで人気がない。撃つゲームといえばゲームセンターにある『ハウス・オブ・ザ・デッド』シリーズのようなガンシューティングゲームしか思い浮かばない人もいることだろう。もちろん昨今では海外の人気作が日本に入ってきて人気を得つつあるのだが、それでもゲーマーでない人にとっては超メジャーというほどではないはずだ。

 やはり日本では銃を持つ文化がないからか、リアルな銃を持って敵をガンガン撃ち殺すのは性に合わないのかもしれない。ではそういうゲームが単なる野蛮なものかといえばそんなことはなく、重厚なストーリーを描いたものもあれば、人間の愚かさを描くといった壮大なテーマに挑んだもの、そして戦いを競技として磨き上げたものなど、実に多種多様だ。中身をじっくりと観察すれば、そこにはゲームクリエイターが考え抜いた素晴らしいゲームの面白さがあるのだ。

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