『ゴジラ-0.0』山崎貴監督が明かす規格外スケールの裏側 「アメリカを考えたら負けだと思った」
「日本の映画作りの環境を少しでも変える力になれたら」
――エンタメとしての迫力はもちろんですが、今作は前作以上に戦争や原爆に対する社会的なテーマ性が深く刻み込まれていると感じました。
山崎:アカデミー賞のシーズンにクリストファー・ノーラン監督と映画『オッペンハイマー』について対談させていただいたときに、「いつか日本側からも映画としてアンサーを作らなきゃいけないな」という強い思いが芽生えたんです。もともと広島を舞台にした映画の取材を進めていたのですが、「待てよ、ゴジラという存在の根底にあるものこそが、まさにそのテーマじゃないか」と気づいて。
――ゴジラ映画という枠組みの中で、歴史の生々しい痛みに正面から向き合ったと。
山崎:ゴジラという特撮映画のオブラートに包まれているからこそ、生々しく、泥臭くガチで描くべきだなと決意しました。東宝さんともいろいろと議論を重ねましたが、最終的に「やってみよう」と背中を押してもらえて。かなり踏み込んだ表現になっているので、観客の皆さんがどう受け止めてくれるか、期待半分、怖さ半分という気持ちです。
――前作の全米大ヒットや今作の同時期公開を含め、山崎監督は名実共に日本映画界の先頭に立って世界へ挑み続けていらっしゃいます。そのパイオニアとしての責任感や意識はありますか?
山崎:あまり背負いすぎると胃が痛くなっちゃうので(笑)、自分ができることを一つひとつ増やしていきたいという感覚です。でも、海外での興行というチャンネルが広がっていけば、映画のパイが大きくなって、巡り巡って現場で働くクリエイターやスタッフに回るお金や環境も確実に良くなっていくと思うんです。海外へ行くと分かりますが、「ゴジラ」というキャラクターは本当に世界中で愛されているスーパースターなんですよね。そのスーパースターを預からせてもらっている以上、その可能性にはどこまでも賭けていきたいですし、日本の映画作りの環境を少しでも変える力になれたらと思っています。
――現在はリドリー・スコットやJ・J・エイブラムスら世界的巨匠とのハリウッド企画も進行中ですが、今後の監督としてのビジョンを教えてください。
山崎:僕は昔から先々までのロードマップを細かく決めず、その瞬間瞬間にやりたいこと・やるべきことに向き合って生きてきました。ただ、山田洋次監督と最近お話しする機会があったのですが、90歳を超えてもなお現役で映画を撮り続けていらっしゃる姿に衝撃を受けたんです。80代後半のリドリー・スコットもそうですけど、映画を作り続けるための体力とモチベーションを維持することの大切さを痛感しました。自分も体力をしっかりつけて、世界中の観客を驚かせる作品をこれからも生み出し続けていきたいです。
■公開情報
『ゴジラ-0.0』
全国公開中
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、佐々木蔵之介、國村隼、田中美央、安藤サクラ、長澤まさみ、田中泯、吉岡秀隆
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
制作プロダクション:TOHOスタジオ、ROBOT
VFX:白組
製作・配給:東宝
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