『ブラッサム』金子大地が体現する“若さゆえのイキり感” 制作統括も絶賛する繊細な芝居

 NHK連続テレビ小説『ブラッサム』が現在放送中。自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルに、葉野珠(石橋静河)が激動の明治・大正・昭和を生き抜く姿を描く。

 第6週では、早産という深い悲しみに見舞われながらも、北海道の地で少しずつ前を向き始めた珠。そして、そんな彼女のそばに寄り添い続けるのが、金子大地演じる夫・保だ。

 保というキャラクターについて、制作統括の村山峻平は「珠の言ったことを否定しない良さや優しさがある。そこはすごくいいところなのですが、一方でなんとなく優柔不断というか、自分で決めない感じもあったりして、そこがまたリアルなんです」と分析する。

 「どこか優柔不断だったり抜けていたりする姿は、現代の視点から見ると『おい!』と突っ込みたくなるかもしれない。そうした絶妙な隙や、インテリな青年がどう悩むかという葛藤を、金子さんが魅力的なキャラクターとして真正面から作り上げてくれました」

 頼りなさがありつつも、“どこか憎めない魅力”が求められる役どころだが、村山はキャスティング後に観劇した舞台でも、金子の起用に改めて確信を持ったという。

 「ちょっと面白系の舞台を拝見した際、与えられた役を思い切り“金子大地色”にして挑戦し続けている姿が本当に素敵でした。保という役のオファー自体はその前に決めていたのですが、改めてその舞台を観て改めてお願いしてよかったと思いました」

 その期待通り、金子は保の心情の移ろいを細やかに体現していく。印象的だったのは、東京から北海道へ移る列車内の表情。村山は「ゼロからのスタートになる心細さや頼りなさもありつつ、ここから自分が引っ張っていくんだと背伸びする。その自信のなさや若さゆえの“イキり感”が滲み出ていて、すごくいいなと思いました」と振り返る。

 北海道での生活でも、「初出勤に武者震いしとる」といきがってみせたり、仕立ての仕事を始めた珠を「やりたいことができたなら大したもんじゃ」と笑顔で肯定したりと、等身大で珠と向き合う保。そして第30回、少しずつ笑顔を取り戻した珠から「札幌に連れてきてくれてありがとうございました」と感謝を伝えられ、保は「よかった、ほんまによかった」と心からの安堵を口にする。

 そんな金子の演技に、村山は「保は一週ごとに置かれる状況や段階が違うので、演じるのが本当に難しい役。それでも金子さんは役に食らいつき、保という人物が金子さんに憑依していると感じるほどです」とあらためて賛辞を送った。

 “夫の弟”という出会いから同居生活、そして夫婦へ――。目まぐるしく変化していく関係性を演じる石橋と金子。その絶妙な空気感の土台となったのは、東京編で過ごした下宿三好での撮影だったという。

 村山は「下宿三好の夫婦を演じる赤堀(雅秋)さん、中村(優子)さんと4人でいる時間がものすごく長かったんです。待合室でも、いつも4人で一緒にいて。真剣に芝居の話をするというよりは、本当の家族のようで、よくみんなでご飯を食べに行ったりもしていました」と回想する。

 劇中では“兄と妹”と偽って下宿生活を始めた2人だが、実際の素顔はまったくの逆だといい、「前室での2人を見ていると、まるで仲の良いお姉ちゃんと弟のようなんです。他愛のない話で盛り上がっていて、そのまま2人で生トーク番組に出てほしいくらい面白いです」と舞台裏を明かした。

 北海道の人々の温かさに支えられ、夫婦の絆を深めた珠と保。しかし村山は、「北海道の人たちの“純粋さ”や“雪のような真っ白さ”が、珠にとって逆にきつくなってくる」と、第7週の展開を示唆する。

 訪れる新たな変化の中で、保はどう珠を受け止めていくのか。物語の行方とともに、金子の人間味あふれる芝居に注目したい。

■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、高良健吾、金子大地、赤堀雅秋、イッセー尾形、川島潤哉、中村優子、井浦新、遠藤憲一 ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK

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