木竜麻生、初の朝ドラでさらなる転機へ 『ブラッサム』“珠”石橋静河の人生の重要人物に

「うちらもやろう、同人誌」

「うちにも意思がある。同人誌の中でだけ好きに表現するぐらいええじゃろ」

 NHK連続テレビ小説『ブラッサム』に、そう言って主人公の珠(石橋静河)を一気に文学の世界に引き込む同級生・角田忍役で木竜麻生が登場した。

 忍は高等女学校での珠の友人。「良妻賢母」育成のための教育が徹底されている学校では、和裁の授業もあるが忍はやや苦戦しているよう。珠をはじめとしたいつも一緒にいる友人たちからもからかわれているので、ちょっとした“いじられキャラ”なのかもしれない。そんな親しみやすさが忍の中にはある。

 10月5日に放送された第6話では、珠がお弁当を食べる時間も惜しんでトルストイの『イワンの馬鹿』を読むところが映し出されたが、忍は女性の権利獲得に奔走した活動家・平塚らいてうに刺激を受けており、彼女が制作に携わり、創刊の辞を寄せた『青鞜』を大切にしていた。

「元始、女性は太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である」

 と、現在も有名な一節を朗々と読み、「うちも、らいてうみたいにものが言えたらゆうてずっと思うちょる」と目を輝かせている忍は、まるで主人公のような意志の強さを見せていた。

 そんな忍を演じている木竜は、本作がNHK連続テレビ小説初出演。14歳のとき観光で訪れた原宿でスカウトされ、テレビCMに出演してタレントデビュー。大学を卒業後、役者の道を本格的に志し、瀬々敬久監督作の『菊とギロチン』にて、約300人の中からオーディションで選ばれヒロインの女力士・花菊役で映画初主演。さらに、野尻克己監督の『鈴木家の嘘』でも、約400人の中からオーディションで選ばれヒロイン役を務めた。これらの演技によって、木竜は第31回東京国際映画祭の「東京ジェムストーン賞」をはじめ、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、ブルーリボン賞新人賞など国内の主要な映画新人賞を獲得。

 近年でも、『わたし達はおとな』(2022年)で予期せぬ妊娠をきっかけに葛藤する美大生役で主演を務め、存在感のある演技を見せた。その一方で、『熱のあとに』(2024年)では愛したホストを刺し殺そうとした過去を持つが、理解ある夫と出会って結婚した沙苗(橋本愛)の前に突然現れ、親しげに接してくる謎めいた女性・よしこを演じ、バイプレイヤーとしての器用さも見せるなど、実力派としてのポジションを確かなものにしている。

 そして、NHK夜ドラ『いつか、無重力の宙で』では、かつて高校の天文部で友人たちと語り合っていた宇宙への夢と再び向き合い、人工衛星の製作に取り組み始める飛鳥役で主演を務めた。この作品には『虎に翼』(2024年前期)に出演し、『巡るスワン』(2027年度前期)で主人公を務める森田望智、『ブギウギ』(2023年後期)に出演した片山友希、『風、薫る』(2026年度前期)で主人公を務めた上坂樹里など連続テレビ小説に縁のあるキャストが勢揃いしていた。こうした同世代の実力派たちが集う作品で切磋琢磨しながら、着実に経験を積み重ねてきた木竜にとって、満を持しての出演となる『ブラッサム』は、その魅力をさらに多くの人々へ届ける大きな転機となるに違いない。

 忍は、同人誌で小説を書きたいが、作品の完成度に自信が持てない珠に対して、手を取って目を見つめながら「あんたなら書ける。ねっ!」と励ました。すでにプロデューサーとしての才能が垣間見えるようだ。これから忍が珠の人生にどのような影響を与えていくのか、そしてそんな忍を木竜がどのように演じていくのかに期待が高まる。

■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK

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