『ブラッサム』が目指すのは“綺麗事にしない”朝ドラ? 加賀まりこが制作陣に託した覚悟

石橋静河が主人公を務めるNHKの連続テレビ小説『ブラッサム』は、作家・宇野千代をモデルに、激動の時代を自らの意思で生き抜いた女性・葉野珠の生涯を描くオリジナルストーリーだ。
1980年代の“晩年”の珠を加賀まりこが演じる斬新な幕開けや、過酷な環境に揉まれながらも力強く生きる幼少期の描写が、早くも視聴者の心を掴んでいる。

第1週で視聴者に強烈な印象を残したのが、珠の父・清治(渡部篤郎)の存在。家父長制の時代背景とはいえ、雨の中子どもを裸足で買い物に行かせるなど、威圧的な父親を、渡部は一切の妥協なく演じきっている。
制作統括の村山峻平は、この父親像について「宇野千代さんが書かれた自伝的な作品の中に出てくる、一つの象徴的なキャラクターの欠片として、大切にしなければならないと思いました」と語る。
「あの時代の家父長制の中に、ああいう父親の側面があったことは事実です。それを一面的に『ひどい父親だ』とするのではなく、珠と父親の間に“何が通っているのか”を見せることが、珠というキャラクターの礎になります。どこまで分かり合えていて、どこが謎のままなのか。その関係性は、お父さんがいなくなってからも、珠の中で走り続けるエンジンとしてどこかしらに顔を出してくる。だからこそ、我々としても逃げずにやりたいと思いました」(村山)
そんな過酷な幼少期を生き抜き、大人の珠へと成長していく姿を演じるのが石橋。村山が石橋を主人公に起用した最大の理由は「眼差しの強さ」だったという。
「『ブラッサム』は、珠がいろんな人と出会いと別れを繰り返し、その中でいろいろなものを獲得していく物語です。その瞬間にどういう目をしているのか、言葉だけじゃない部分でお芝居をどう切り取るかが大事になる。石橋さんはその眼差しがとても強い。そしてもう一つ、眼差しに負けないくらい笑顔がとても素敵です」(村山)

そして、その石橋の魅力に見事にリンクし、大人の珠へとバトンを渡すのが、幼少期を演じる子役の村上蘭だ。
「主人公の葉野珠は、苦しい瞬間も多々あれば、泣くときもあるけれど、やっぱり笑顔がとってもいい。その“眼差し”と“笑顔”という点で、村上さんは石橋さんと共通するものがあると感じて惹かれました」(村山)
主人公のバトンを繋ぐ2人だが、実際の撮影現場でもその絆は強かったと村山は語る。
「現場でも2人はとても仲が良く、一緒に所作や岩国ことばを練習するときは、年齢は違えど『一緒に頑張ろうね』と同志のように同化していったイメージがあります」(村山)




















